Voice From The Water 『ルアーが繋ぐ魂』
2009年 12月 03日
名も無き、フラットサイドクランクのプロトモデル。
このクランクが生まれた経緯はツカケンさんのブログをご覧頂ければと思いますが、ホントなつかしーーー!!
http://ktwlures.exblog.jp/13127034/
遠賀川に浮くツカケンさんの船の上で、ボートの中を木屑だらけ(笑)にして即興で作ったこのルアー。
今思えば、何となく、ビーツァの面影がありますね。
この日の事は僕も良く覚えています。
なんせ、僕が生まれて初めて本物のクランキングに出会った記念すべき日ですから。
噂に聞く、塚本さんのカバークランキング。
それは想像以上に凄いものでした。
一言で言えば、美しい。
その一言しか思いつかないほど、完成度の高いものでした。
眼前のバンクを覆うバンブーカバー。
水の流れで岸がえぐり取られた結果、バンクギリギリに生える竹林がそのままドーンと水中へ倒れこんでいる超ヘビーカバーエリア。
通常、誰がそんなヘビーカバーの中にトリプルフック剥き出しのクランクを投げ入れようとするでしょうか。
僕であれば、せいぜいノーシンカーワームを隙間に落とし込むか、テキサスリグをねじ込むしか思いつかないようなヘビーカバー。
スナッグレス性能に優れたスピナーベイトですらも入れたくないような竹ジャングル。
そんなヘビーカバーに向かって、あろうことか塚本さんはどんどんクランクを投げ込んでいきます。
何故このカバーにクランクか?
スピナベとか、テキサスとかの方が効率いいんじゃないですか?
と素人丸出しの質問を塚本さんにぶつけてみたところ、塚本さんの回答は単純明快でした。
スピナベやテキサスだと、竹の節のところに生える小枝の隙間に引っ掛かっちゃうんですよ。
だからクランク。
そして、塚本さんの投じたクランクは正確無比なコントロールで、バンブーカバーの最奥部に当たり前のように到達。
もうね、ホントビックリ。
こんな釣りもあるんだな~って。
キャストミス一つ、トレースライン一つ間違えば、速攻で根掛りするシチュエーション。
しかし、塚本さんのクランクは平気な顔してスーパーヘビーカバーの中を泳いでくる。
もう、それを見るだけで本気でビビリましたね~。(笑)
塚本さんの釣りの動作を見ていると、これが凄いんですわ。
全く無駄が無いと言うか、
カバーにアプローチする際に、右手投げ、左手投げ、右巻き、左巻き、オーバーハンド、サイドハンド、バックハンド・・・・・全てを自由自在に使いこなし、クランクは常にベストスポットに着水し、ベストラインを泳いでくる。
そして当時既に完成されていたB7に次々とヒットしてくるバス。
まるで何かの魔法を見せられているようでした。
そんな塚本さんの釣りにあまりにも感銘を受けて現場で削ったウッドクランク。
先日の火事場から、たった一つだけ持ち出せたモノだったそうです。(涙)
ルアーが繋ぐ魂・・・・・・この日、もし塚本さんの釣りを見る事が無かったなら、ビーツァというルアーは生まれてこなかったかもしれません。
いや、たぶん生まれて来なかったと思います。
そして僕は今、塚本さんの作られたファイナルディメンションTS1610MLFという素晴らしいロッドでクランクを投げ続けています。
師匠と呼びたいのは僕の方ですよ、塚本さん!!
僕は間違ってもそんな立派な人間じゃないですから。(笑)
お互いに切磋琢磨しながら、これからもルアービルディング道を突き進んで行きたいですね!
■ 塚本さんのブログ http://ktwlures.exblog.jp/