Nishine Lure Works 裏日記

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Voice From The Water  『21年前の約束』

今日は一人の友人との出会いについて書いてみたいと思います。

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                        Takahiro Omori

彼と出会ったのは、21年前。

18歳の時の事です。

少し前にコチラで書かせて頂きましたが、高校を卒業した後、自転車で釣り場放浪の旅をしていた時に偶然出会ったのが彼でした。


放浪数ヶ月目、
河口湖のロイヤルホテル前の溶岩帯でバス釣りをしていた時の事です。

釣りをしてたら、唐突に後ろから、

”この自転車、キミの?”

と、呼びかけて来た人物が居ました。
呼び声に振り返ると、見知らぬ人物が立っている。。

その見知らぬ人物は、僕の自転車を指差し、ぶっきらぼうに立ってます。(笑)

野宿旅行をしていた僕の自転車には、テントだの寝袋だの荷物が満載されてて、
彼はどうやらそれが気になって声を掛けてきたみたいです。

”うん、そうだよ。”

と、答えると、その見知らぬ人物は、また聞いてきます。

”キミは何を目的にこういう事をしてるの?”

”ルアービルダーになりたくて、自転車で釣り場を放浪しているんだ。日本中の釣り場を見てみたいと思ってる。”

そう答えると、

”そうなんだ。キミの話を聞きたいから今晩自分のアパートに来ないか?”

それが大森君との出会いでした。
何とも、唐突な出会い。

人は出会うべくして出会うとは良く聞きますが、彼との出会いも必然だったのか・・・・。
何はともあれ、この日、若き日の大森君と出会ったのでした。

その晩、約束の場所に赴き、大森君のアパートに連れて行かれました。
連れて行かれたのは、今にも倒れてしまうんじゃないかっちゅうぐらいのボロボロのアパート。

ボロボロの6畳一間のアパートの一室で、初めて自己紹介。

”オレ、大森って言うんだ。”
”オレは西根。”

名前も知らない人物をいきなり自分の部屋に連れて行く大森君もどうかと思いますが、
名前も知らない人物の部屋にいきなり上がりこむ僕も僕です。(笑)

そして、自分の夢を話しました。

ルアービルダーになりたい事。
その為に、日本中の釣り場を見てみたい事。
バイクとかではなく、自分の足でペダルを漕いで回りたい事。


そして、大森君も自分の夢について語ってくれました。

プロアングラーになりたい。

そして、その為には自分がどういう進路を取ったらいいか考え中との事でした。

はっきり言って、ムチャクチャな話です。(笑)

当時、ルアービルディングオンリーで飯を食えている人なんて皆無に近かったし、
同様にプロアングラーで飯を食えている人も殆ど居ませんでしたから、
普通に考えたら、二人の夢が実現する可能性は限り無く低いでしょう。

もちろん、どんな道を進んだら良いかなんて、教えてくれる人は誰もいません。

お互いに自分の夢を想い描き、なりたいものが決まってても、どうしていいかわからない。

自分もルアービルダーになる!と夢を描き、
自転車で釣り場放浪の旅に出発したものの、
どうやったらルアービルダーになれるかなんてわからない。

大森君も、プロアングラーになる!と言う自分の夢に向かって、
どう進んだら良いか解らなくて、もがいているようでした。

そんな訳のワカラン出会いでしたが、何故か妙にウマが合ってしまい、
それから、1週間、大森君のアパートに転がり込み居候。

同い年だった事もあるし、価値観も近かったんでしょうね。

その後の一週間は、毎朝、大森君の仕事が始まる前に一緒に釣りし、
毎晩、将来の夢について語り明かしました。

大森君と過ごした1週間は、僕の人生の中でも最も濃密な時間の一つだったと思います。


そして、1週間後、出発の日がやってきました。

彼は、ずっと考えていた事を実行に移すべく、東京へ。
水産系の大学進学を目指し、魚類学を学んでバス釣りに生かしたい。

そして、僕は旅の続きを再開。


河口湖を出発し、二人で自転車を漕ぎ、富士吉田の交差点で別れました。

彼は東京の予備校に向かうべく、大月方面へ。。

僕は釣りの旅を続行するべく、山中湖方面へ。。

富士吉田の交差点で、黄色い自転車に乗って走り去って行く大森君の姿を今でも良く思い出します。

自分の夢を信じ、それぞれの道を進む。


それから一年後、僕はルアービルダーになるべく、遠藤師匠の元に入門。

河口湖の鵜の島仙人の噂を耳にしたのは、その頃の事でした。

河口湖の鵜の島で、釣ったバスを食って生活しているヤツがおるらしいで?

そんな奇怪な行動をしているヤツが居るという事で、
当時、釣り人の間ではその噂で持ちきりでした。

そして、何かのきっかけで、その噂の主は大森君だったと言う事を知り、
ああ、やっぱりヤツだったか、と妙に納得。(笑)


その後、彼がリュックサック一つでアメリカに旅立って行ったという事を知り、
凄く嬉しかったのを覚えています。

連絡先も知らんので、連絡の取りようもありませんでしたが、
丁稚奉公中、しんしんと冷え込む廃車の中で、バサー誌を見ては彼の活躍の様子を知り、
随分勇気付けられました。

彼と再会したのは、それから10年後ぐらいのバサーオールスタークラシックの会場。
そして、それから数年後のカリフォルニアデルタのエリートシリーズの会場。

どんなにビッグネームになっても、大森君は全く変わっていませんでした。

つか、今改めて思ったんですけど、この20年間でたったの2回しか会っていないという。(笑)
お互いに用事が無ければ連絡すら取らないので、果たして友達といって良いかどうか謎ですが、
僕にとっては大切な友人の一人です。

彼のプロアングラーとしての成功は、自分にとっても本当に嬉しい事です。


21年前、河口湖に浮かぶボート上で交わした会話を今でも良く思い出します。

”オレはバスプロになる!”

”オレはルアービルダーになる!”

若き日の会話・・・・・夢に向かってがむしゃらに突き進めるのは若さの特権ですね。

”大森君がバスプロになって、自分もルアービルダーになれたらスポンサードしたるわ~~!”
”頼むぜっ!”

その21年後、彼はアメリカに住み、僕はカナダに住んでいます。

そして、彼はプロアングラーになり、僕はプロルアービルダーとして毎日の生活を送っています。

21年前の約束を果たすには、今や大森君はあまりにもビッグすぎるけど(笑)、
約束の1000分の1ぐらいは果たせたかな?


                      (大森君 x 雨貝さんのクランキング話)

夢は叶えるもの・・・・・・・大森君の事を思い出すたびに、そう思います。

大森君、ありがとう!!
by nishinelureworks | 2010-04-24 04:16 | Voice From The Water | Trackback
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