名作クランク

さてさて、今回のクラシックでウィニングルアーとなったKVD1.5。

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僕はこのルアーを投げた事が無いどころか、実物を見たことすら無いので何も言えませんが、スクエアビルクランク戦争が一段と激化しそうですねーー。

最近、似たようなクランクが各社から続々と発売されていますし、もはや大流行って言ってもいいんじゃないでしょうか?(笑)

んで、このスクエアビルクランク合戦の元になっているルアーは間違いなくこのルアーだと僕は考えています。

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言わずもがなのRC!!(笑)

もし、”プラスチッククランクで最も感銘を受けたルアーを二つあげてみろ!”
って聞かれたら、とりあえず僕はこの2つのルアーの名前を上げたいと思います♪

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RCシリーズとウィグルワート。

多くのフォロワーを生んだ歴史的名作クランク君達ですよね。

我ながら、あまりにもベタなチョイスですが(笑)、この二つは本当にスゲーなー!!って思います。

もちろん、他にも優れたプラスチッククランクは山ほどありますが、あえて無理やり選ぶとしたら今のところはこの二つですかね~?

んで、ウィグルワートは今回の話とずれるので、今回はRCシリーズに絞って書かせて頂きますね♪


このRCシリーズ、と言うかこのボディー形状をしたラッキークラフト社のルアー全般(BDSとか)は、実は通常のプラスチッククランクが持たない唯一無二の能力を秘めていると僕は考えています。(僕の勝手な思い込みかもしれませんけど。笑)


話は今年の1月初めにに戻るのですが、OPA!さんの良忍和尚から頂いた話に遡ります。

良忍和尚から頂いたメールは、

”今年はカスミ水系が真冬でも好調でクランキンで魚が取れているんです。しかもブリブリンッと泳ぐタイプの方が良いみたいです。(スナブやRC)”

OPA!さんのブログをご覧になられている方はご存知と思いますが釣りまくられていましたよねーー!!(良忍和尚は何時も釣りまくりですが。←今も。笑)

んで、このスナブノーズとRCですが、素材も違えばボディーシェイプも全然違いますし、一見全く別モノのルアーに見えますが、実は意外な共通点があるんです。

その共通点とは『音』!!

えっ?何でサイレントクランクなのに音なの?って話はあると思いますが、この2種類のクランクはサイレントクランクながらも非常に良い音を発生させてるんですよー。

それも中途半端なラトルインルアーよりもよほど音が出ているんですよ~~。(爆)

音を出すサイレントクランク達・・・・言葉的にはもの凄く矛盾しまくりですが、世の中にはそういうクランクが実際に存在するんですよね。

ルアービルダーのハシクレとして言わせて頂けるなら、正直、スナブノーズもRCシリーズもハンパ無い完成度です。

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                         スナブノーズ

本当に凄いクランクだと思います。

ご存知の通り、ラトルを持たない完全固定重心なスナブノーズ君ですが、かなり激しい金属接触音を発生させながら泳ぎます。

このスナブノーズが音を出すメカニズムですが、スナブノーズの金属接触音はテールフックから発生しています。

簡単に言うと、超ハイピッチに振られるテールヒートンの中で、スプリットリングが打撃を繰り返している音なんですけど、これは超ハイピッチであれば出せる類の音ではなく、超ハイピッチアクションである事はあくまで最低限の条件。
それ以外にも、アクションの質やボディーバランス等、ある一定の条件を備えたクランクのみが発生させられる音です。

ルアーにはフックだのスプリットリングだの、金属パーツがガチャガチャと装着されているので、基本的には完全にサイレントなクランクなんてありませんが、僕が保有しているクランクの中で、この特徴(固定重心にも関わらず音が出る)がずば抜けて良く出ているのが下の2個のクランクです。

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既に既出のスナブノーズの他には、RonEBeeというメーカーのベビーピッグと言うフラットサイド系クランク。

この二つのクランクはラトルインルアーに負けず劣らずの音を発生させています。(そう言えばベビーピッグも多くのフォロワーを生んでますよねーー♪)

NLWではブレードを装着する事で金属接触音を強制的に発生させていますが、上記2種類のルアーはルアーバランスや基本性能が極限まで高められる事によって、この金属音が発生しています。

例えて言うならNLWのブレードが後付ターボだとしたら、スナブノーズやベビーピッグはファインチューニングが施されたNA仕様のピュアスポーツって感じですかね?(ムチャクチャ意味のワカラン例えですね。笑)

まぁ、そんな意味のワカラン例えはどうでもいいとして、おそらくですがツカケンさんはこの『音』を意図的にクランク作りに取り入れられているように思います。

僕がそう感じる理由は、最近のKTWルアーって、すべてのモデルがテールヒートン仕様に変更になってるじゃないですか。
ご本人に聞いた事無いし、僕の勝手な思い込みかもしれませんが、そう感じてます。(笑)


んで、ここから本題のRCシリーズについて書かせて頂きたいと思います。

この『フックリングとスプリットリングの打撃音』ですが、基本的にはソリッドルアーのみで実現が可能な超ハイピッチ領域のみで起こる現象なんです。

RCシリーズは、プラスチッククランクとしてはほぼ最高レベルのアクションレスポンスを持つクランクと思いますが、完璧にバランスの取れたバルサ等のソリッドボディークランクがひねり出すレスポンスと比べると一歩及びません。(それがダメと言う意味ではないですよー)

が、それにも関わらず、フックリングとスプリットリングの打撃音が出る。

これはひとえに優れたボディー形状の成せる業だと思います。

しかも、RCシリーズの場合は、テールフックからだけでは無く、フロントフックからも同様の音が出ているんですね。

これは通常はありえない事で、優れたバランスを持つクランクであればあるほどフロントフックは暴れなくなっていくものなのですが、RCシリーズは素晴らしいバランスを保ちつつも、フロントフックリングの中でスプリットリングが打撃を繰り返しているんです。

RCシリーズが発生させる音量は僕の耳で聞く限り、スナブノーズやベビーピッグと同じぐらいですが、RCシリーズの場合はフロント:4、テール:6ぐらいの比率で音を発生させているようです。(それと同量の音をテールユニットのみで発生させているスナブノーズやベビーピッグは凄すぎです)


基本的にフロントフックが暴れると言う事は、アクションの軸がぶれているって事なので、一般常識的にはNGなんですけど、RCシリーズはそれが見事な形で実現されています。(おそらくロール軸が絶妙なんでしょうね~~)

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ちなみにこの現象はRCシリーズのみに限らず、ラッキークラフト社の同形状のボディー(RC系ボディー)を持つクランク各種で起こっている現象ですので、このボディー形状自体が非常に完成度が高いのだと思います。

んで、ここで話は良忍和尚の話に戻るんですが、真冬の霞水系でスナブとRCが炸裂したという理由の一つに、もしかしたら『音』って要素も絡んでいるんじゃないかな?って妄想を繰り広げている訳です。


ちなみに、ソリッドルアーでアクションのトルクを保ちつつフロントフックから音を出そうと思うと、RCシリーズのボディー形状をそのままパクるか(爆)、超ハイピッチアクションを発生させるベビーピッグの更に1.2~1.3倍ぐらいのウルトラハイピッチなピッチスピードを出さない限り、この現象は起きないようです。(実験済み)

今のところ僕がこの現象を実現できたのは、現在開発中のこのモデルだけ。
         ↓     ↓     ↓
名作クランク_d0145899_31121.jpg

太っちょクランクのミドルダイバー君です。

まだ分からない事だらけですが、どうやらバイブレーションルアーよりもはるかに早いピッチで反復運動を繰り返すとフロントリングが打撃モードに入るようです。


ってな事を書くと、何でこの音に意味があるのか?音が欲しいなら単純にラトルインのルアーを使えばいいんじゃね?って話になると思うんですけど、確かにその通り!!(笑)

が、固定重心のルアーが出す音だからこそ意味があるって場面もあると僕は考えています。


今日は(今日も?)話が長くなりすぎてしまったので、続きは明日書かせて頂きますねー!!
by nishinelureworks | 2011-02-24 03:30 | おすすめルアー | Trackback

ルアー開発、釣り、その他もろもろの徒然記


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