Voice From The Water 『自分が生きてきた証』
2011年 12月 29日
こういう形でBC州から運ばれてきたこの箱の中身は、もちろんルアー!!
このボックスの中に何が保存されているかと言うと・・・・・
今まで開発してきたルアー達のウッドプロトモデルやマスターモデルが保存されています。
このボックスに保存されているのは、主にシマノ社およびトゥルータングステン社で手掛けさせて頂いた大きめサイズのルアー達。
ある意味、正真正銘のシークレットボックスです。(笑)
かつて作ったルアーを久しぶりに手にすると、このルアー達を作った当時の光景が脳裏に思い浮かんできます。
このルアーを作った時は凍りそうな海でスイムテストしたな~とか、このルアーをテストしてた時にライフルを持ったネイティブインディアンに威嚇されたな~とか、このルアーを作った頃はお金が無くて庭の草を食って飢えをしのいだな~とか、ホントに色んな想い出がギッシリ詰まったボックス。
自分にとってルアー作りは自分の人生そのものです。
自分が作ってきたルアーを一つ一つ手に取ると、これまた色々と考えさせられます。
5年前の自分が作ったルアー。
10年前の自分が作ったルアー。
正直、未熟な部分は多々あります。
でも、その時々で自分のベストだけは尽くしてきている。
それだけは自信を持って言えます。
そして、今から5年後、そして10年後の自分が、今現在作っているルアーを手にした時、未熟だなぁ~って感じられる自分で居たい。
もし、未来の自分がそう感じる事が出来ないのであれば、それは進化も成長もしていないという事。
それでは製作者として無為な時間を過ごしているのと何ら変わりません。
何の為に生きているのか?
何の為に生かされているのか?
過去の未熟を恥じる事は何もないと思うんです。
それは成長の過程だから。
でも、製作者が自身の作品に満足し、そこで歩みを止めてしまう事は、自分への驕りでしかないと思うんです。
今の自分にできる事は、自分が生きている今と言う瞬間をを懸命に生きる事だけ。
自分がやるべき事に懸命に取り組み、自分のベストを尽くしていく。
それが将来の自分の成長に繋がるものと信じています。
今まで自分が生きてきた証として、これからも大切に保存して行きたいと思います。