パユート誕生秘話 前編 ~by なべさん

渡辺さんから頂きましたパユート誕生秘話をご紹介させて頂きます。

長編になりますので、前編と後編に分けてご紹介させて頂きますね!

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『回顧 ~ 考察 パユート85S』

いよいよ本格生産体制に入り販売の時期が刻々と近づいてきたパユート君。

私にとっては今の私の立場を築く元となったブレードクランク以上に、ある意味思い入れの強いルアーと言っても過言ではありません。

私のフィッシング人生の殿堂入り間違いなしのルアー。

このルアーとの出会いは2009年の6月頭ですから3年前になるわけです。

当初はこのパユート君、デッツいコロラドブレードが下腹部に付いていて 、まんまデンプシーテールの前後のペラ無し版と言ってもええかのようなルアーでありました。

でも一目逢ったその日から・・・ではないですけど、見た瞬間から妙に可能性を感じたんですよね。

と言うのも、リップが無く、薄平たくて殆ど水の抵抗もないボディー。
そして、スローシンキングなので使い手の操作次第で色んな使い方が出来るよねっていう事と、 
見た目がまんまベイトフィッシュっぽいので、私の好きな食わせの釣りにピッタリじゃんってことで一目ぼれだったわけですよ。

で、使い始めてみてですが、これはこれで釣れないわけでも無く、バス君の機嫌がエエときに30前後がポロポロと釣れるけど、なぜかデカバス君になるとチェイスはしてくるけど中々バイトに至ってくれないなあってな状態でその年は過ぎていきました。

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                    (釣果写真はBC州P湿原)

とりあえず、ポロポロとは釣れるけれど、決め手が今一でデッツいのんが中々反応してくれない要因は一体なんなんでっしゃろねえ?と考えてその年は過ぎていったわけでございます。

このままの状態では、少なくとも私が行くような野池フィールドでは決め手がなくて今一ですねってな駄目だしを大胆にも西根さんに出していたり(汗)もした時期もあったわけで・・・・・・・・。

でも私的には構造がシンプルで、しかも動きを制御するリップが無いという利点?を上手く生かせば絶対化けるとの変な確信があったもんで、2009~2010の冬場、厳冬期で釣れない中あれこれとイジりながらスイムテストを密かに繰り返して動きを見ておりました。

まず最初の発想としては、デッツいコロラドブレードがカションカションボディーに当たりたくってアピールが強過ぎるのをなんとかすべしというのが最初の考え。

デンプシーテールはあくまでも水面及び水面直下の水面乱反射の中、ルアーの形状がはっきり目視出来ない状況下でペラの乱水流&音とも融合されている状態だからこそ、あのカションカションは生きているのであって、若干水面下に潜るパユート君にはそれがバスにとっては(特にスレきったデカバス君にとっては)不自然で煩いアピールでしかないのでは?と感じました。

そこで、最初にとった手段はデカビーツァのブレードの交換移植。

が、が 泳がせてみるとブレードが大き過ぎたのか、リアフックと干渉し過ぎて綺麗にブレードは回ってくれないし、おまけにチドりならぬドドリが発生して見た目の泳ぎが美しくないのでこのパターンは速攻却下!
 
ならばということで、 フックと干渉し過ぎているならば小さくすりゃあええんでしょってことで得意技の安易な発想でブレードクランクのブレードに交換移植してみたわけですよ。

で、これが逆に泳ぎが美し過ぎる状態に激変しましてですねえ、いわゆるI字系プラグまんまな動きになり、完璧に狙った動きでバッチグー(死語ですな)になっちまったもんで、この春は貰った!と独り寒い中思っておったりしていたわけであります。

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使用するイメージとしては、アフターの琵琶湖でウィードフラットのウィードトップをリングワームのスプリットショットのスロードラッギングで流していって、アフターのデカバスをポロリポロリ釣っていくパターンがあるんですが、それのプラッギング版って感じで広いフラットでけっして活性の高くないデカバスをリアクションではなく喰わせで釣っていけるプラグって感じでしょうか。

でも、見た目のアクションのイメージとして私が真っ先に浮かんだのは実は魚ではなくエビ!!

エビってたまにボディーは動かさずにお腹の足だけワサワサモサモサ動かして泳いでるときあるっしょ。

なんとなくあのイメージでアピール度は微弱でボディー自体は動かないんだけどお腹のブレードがヒラヒラしてて見た目・音等が気になって気になって仕方がない付属物がお腹で動いてるよってな感じ。

総合的にはあくまでも水面下をフワーッツとモワーッツと柔らかく泳いでいくイメージがこの時点で出来上がったわけです。

そして2010年、なんとなくイケてきたなってな釣果が出てきたのは冬場にイメージしてた通りアフターくらいから。
アフターのスロー巻きで前年には中々釣れなかった40upがポロポロ釣れだしてからやっぱこの方向性はありだったなあと。

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でもって、この流れは盛夏のデローンな激お湯なシャローフラット野池でも続きまして、他のルアーが手も足も出ない中でもブレクラブレード移植パユート君には40半ばから40後半交じりでポロリポロリと、今で言うI字系ならではの優位性を既に2010年の夏場には垣間見せてくれていたんです。

しかも、I字系でありながら、秋なんかは早巻きやジャーク&トゥイッチでリアクション的にも使えるし、根掛かりさえ気をつければ、リフト&フォールもありってな感じで、最終形に向かう前の基本形が既にこの時点で私の中でかなりな形で出来上がっていたわけであります。 

そしてパユート君、かなりイケてるんじゃあないのんって一人自己満足に浸りかけてた頃、とある出来事・・・。

とある遠征によって自信喪失&及びまだ上があるんではないのん?と脳天カカト落としを喰らったかのような衝撃的な釣行が発生したわけであります。

それは 2010年11月23日の衝撃の岡山釣行でした。 

Nishine Lure Works裏日記より
http://beatour.exblog.jp/12344889/

西根さん + Nishine テスター3名。
そしてスペシャルゲスト 六度九分 行友氏という超スペシャルな岡山釣行にて、Nishine軍団はその時はまだプロトモデルだった六度九分さんの 現:アトムという小型ルアーに コテンパンにやられちまったわけですよ(詳しくは上記リンクへ)

私は実はこの日かなりの割合でパユート君を投げておったんですが、釣れたのはスレ掛かりのヘラブナ君のみ。
パユート君で私が流しまくったエリアでも、あとから来たアトム君にサクッと40半ばを釣られちゃったりしたわけですよ。

もうものの見事な完全敗北。。。。 

分かってるんですよぉ~、アトム君とは全く方向性が違うってのはね。 
けどなんだか凄い異常な闘争心みたいなものが沸々と沸いてきて(行友さんに対してではないっすよ)、まだまだパユート君イジレるでしょ?もっと強烈なルアーに出来るっしょ?って帰り道でもずっと思ってましたもんねえ。

特定の状況下で発揮される爆発力、代用が利かないような強烈な個性的な釣れ方にある意味憧れ的な気持ちが沸きまくりパユート君ならそういう能力を持たせられるんでは?と感じた訳です。



ユッキーのアトム君に完膚なきまでに叩きのめされ、ふつふつと闘争心の湧いたナベさん。。
この日の事は僕もよく覚えているのですが、なべさんと同船させて頂いたこの日、なべさんはマジでパユートとNLWスモラバしか投げていらっしゃいませんでした。

釣れなかった悔しさをバネにして、ナベさんの手で更なるチューンが施されたパユート君。
遂に誕生した最終プロトモデルは、それまでのプロトとは別次元の破壊力を持ったルアーに進化を遂げていたのでした。

その模様は後編にて!!




■ 追記
ちなみに、オイラも完膚なきまでに叩きのめされたこの釣行はホントに悔しくて、その結果、今まで自分の中で設けていたリミッター解除を決意。
そして、ファットブルシリーズが生まれたのでした。(笑)
by nishinelureworks | 2012-11-14 06:43 | Paiute 85S | Trackback

ルアー開発、釣り、その他もろもろの徒然記


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