NLWフットボールジグ開発秘話 その1 【開発コンセプト】
2015年 02月 02日
エリー湖とナイアガラリバーのスモールマウス君達に鍛え上げてもらって、遂に完成したフットボールジグ君。
テスト中、僕を含め、沢山の友人に試して頂き、数え切れないぐらいのナイススモールマウスをもたらしてくれました♪
このジグの開発コンセプトはスモールマウス用のフットボールジグが欲しい!という実に単純明快なモノ。
プロトモデル製作&テストがスタートしたのは2013年の晩秋の事ですが、そのきっかけはその夏、カナダに来られた舞木さんとの釣行までさかのぼります。
舞木さんといえば、現在は琵琶湖でプロガイドとして活躍中ですが、琵琶湖移住前は福島のフィールドでスモールマウスを釣り倒してきた人物。
そんな彼が、
西根さん!フットボールジグは絶対外せないルアーです!たぶんエリー湖やナイアガラリバーでも効きそうな気がします!!
と、超絶お勧めしてくれるもんですから、僕としても気になってしょうがない!
それが、フットボールジグを作ってみようなぁ?と思い始めたキッカケでした。(何と単純な。笑)
そして、彼は僕のジグボックスをまさぐり(笑)、たった一個だけ見つけたスモールマウスに使えそうなフットボールジグを使って、その言葉を証明してくれたのでした。(舞木さんの釣行記)
ってな訳で、フットボールジグを補充するべく地元の釣具屋さんに行ってみるものの、これがビックリするぐらい欲しいと思えるジグが無くて、ただただ舞木さんと二人して顔を見合わせるばかり。(^_^;)
もちろんの事、オンタリオでもフットボールジグはスモールマウス用の定番ルアーの一つなのですが、それは殆どの場合スイムベイト用のジグヘッドとしての使用であり、純粋なフットボールジグ(ラバーが巻いてあるもの)はオンタリオでは絶滅寸前という事が分かったのでした。(汗)
一応何種類かのフットボールジグは並んでますが、そのどれもがアメリカから輸入されたモノが殆どで、スモールマウス狙いに使いたいと思えるものは皆無。
こりゃキビシー!と舞木さんと二人して釣具屋さんのジグコーナーにしゃがみ込んで頭を抱えて悩んだ訳だったのですが、何がそんなにダメダメだったのか?
それは一言で言えばサイズがデカすぎ!!の一言に尽きました。(あくまで自分目線の勝手な思い込みですが)
オンタリオの釣具屋さんで販売されているフットボールジグはアメリカからの輸入品が殆どで、当然の事ながらそれらのジグの殆どはラージマウス相手に開発されたもの。
それらのジグは概してバルキーなシルエット&フックを有しており、スモールマウスを狙うにはちょっと大きすぎかなぁ?と言うのが正直な感想でした。
そして、実際の釣行でもとても興味深い事象に遭遇!
舞木さんと出撃した日の中に、コールドフロント直撃でハードベイトへの反応が非常に悪くなり、ソフトベイト中心の釣りになった日があったのですが、スイムベイトにバイトが出るものの、そのほとんどがすっぽ抜けると言う現象に遭遇しました。
そして、その最大の原因として考えられたのが、まさにデカいフックの存在。
舞木さん曰く、
スモールマウスがスイムベイトに喰いついてくる場合、テール側から吸い込んで、そのままもぐもぐと飲み込んで行くような食い方をすることが多いと思うんですけど、デカいフックのジグヘッドだと途中で吐き出される事が多いんですよね~。
原因を色々考えたんですけど、後ろからもぐもぐと飲み込んで行って、唇がフックに触れた瞬間スイムベイトを吐き出してしまうんじゃないでしょうか?
という見解。
そして、まさにその見解を証明するがごとく、すっぽ抜けたスイムベイトには、フックの後ろ側のボディー後半部のみにがっつりとバスの歯型が残されていたのでした・・・・。
あまりにもシンプルすぎる話ですが、口の中に針が入ってない状態では、何ぼ頑張ってもフッキングできなくて当然。(笑)
実際、バスのストライクシーンの動画を見ていると、口が小さいスモールマウスは、まずはテール側に一撃食らわせて、ワンツーパンチみたいな感じで吸い込むことが多いみたい。
この動画(53秒あたりから)とか非常に分かりやすく映っていると思うのですが、まずはチューブワームのテール側に喰いつき、次の動作で吸い込んでいるのがよくわかります。
とてもシンプルな考え方ではありますが、これらの事象を考えた結果、口が小さいスモールマウスにおいては、デカいフックが吸い込みの邪魔になっている事もあるのでは?という、仮説を立てた訳です。
ってな訳で、手に入らないんなら自分で作るしかね~!と何時ものノリでプロトモデルの製作に着手したのが2013年の晩秋。(単純バカ。笑)
そして、完成した1stプロトモデルがこれ。↓
超初期型のプロトタイプはNLWスパイダージグと同じく、スクリューキーパーでトレーラーを装着するスタイルでしたが、コンパクトなフック&コンパクトなシルエットを持つフットボールジグというコンセプトを自分なりに具現化させたプロトモデルとなりました。
コンパクトなジグをスポッと吸い込ませて、サクッと掛けたい。
これがこのジグに自分が抱いたイメージ。
そして、このプロトジグ数個をジグボックスに詰め込み、結氷直前のエリー湖を横断してアメリカ領でのテストを敢行。
霧で十分な視界が得られない中、エリー湖のど真ん中で独りぼっち・・・・。
GPSだけを頼りにしてエリー湖をアメリカ領まで突っ切らなければならない事の心細さったらありませんでしたが、十分な手応えと可能性を感じられるテストとなったのでした。
続く・・・