コールドウォータークランキング - 低水温のラージマウスにスイッチを入れる方法
2016年 05月 09日
先日、ポールさんに誘ってもらって、今季初のアッパーナイアガラリバーにプロトルアーのテストに行ってきたのですが、その時のパターンの一つがコールドウォータークランキングでした。
思いっきり時期外れではありますが、来年の春の為にも、忘れないうちに書いとけ~と。(^o^)v
この日向かったのはアッパーリバーエリアの、とあるクローズドエリア。
このエリアは、ナイアガラリバーの強い流れから遮断され、かなり特殊な地形条件を備えており、決して広いエリアではないですが、おそらく多くの魚達が越冬場所として利用していると考えられるエリアです。
朝一、空が白み始めると同時に出船し、大雨の中、このエリアにエントリー。
水温は8℃ぐらい。
そこで、今年の冬に試作を進めていたプロトクランクでテストフィッシングを開始します。
しかし、水温は8℃ぐらいと、ラージマウス狙いをするにはかなり低水温な事もあり、当然の事ながら、なかなか釣れません。
そして、日が昇り、風が吹きはじめ、そのエリア内の風下のセクションに差し掛かった時、とあることに気が付きます。
このセクションだけ、水温が0.5℃ほど高い!
おそらく太陽が昇って水が温められ始めた事に加えて、表層の暖かい水が風下側のこのセクションに吹き寄せられているのではないかと考えられたのですが、魚探の水温計は8.5℃あたりを表示しています。
そして、岸べたではシャイナー達がピョンピョン跳ねており、生命感もある!
僅か30~50mぐらいのストレッチですが、非常に期待が持てる感じです。
が、やはり低水温には変わりなく、そう簡単にバイトは出ません。
そこでポールさんの指示。
”ヒロシ、同じ場所に何度も投げて、クランクベイトを通せ。理由は分からないけど、何度もクランクを通している内に、バスが食い始めるから。ボトムをこすりながら引くのがキーだ。”
このアドバイスを信じ、ポールさん、ボク、そしてこの日一緒に行ったテリーさん3人で、プロトクランクをボトムにこすり付けながら、ひたすら投げ続けます。
すると!
ホントに食ってきたぁ~~~~!!!
何度も何度もクランクを通したラインで、ラージマウスが食い始めたのです。
今の段階ではこのプロトクランクは露出NGとさせて頂きたいので写真は非掲載とさせて頂きますが、プロトクランクでラージマウスを連発するポールさん。
そして、テリーさんも、同じくプロトクランクでラージをキャッチ!!
そして、僕にも!
って、魚がちゃうがな。(笑)
でも、うれしー!!
この魚はボウフィンと呼ばれる古代魚。
生きる化石とも言える魚で、実際に化石も見つかっています。
想像もつかないような長い時間の流れの中、生命のバトンを繋いできたボウフィン君に言いようのない敬意の念が湧いてきます。
そして、これから先も未来永劫に渡って、ボウフィン君達が命を育み続けられる素晴らしい川であって欲しいという願いが心の奥底から湧き上がって来ます。
それにしても、ポールさん凄すぎる!
ポールさんが何時も”Fish tell us truth"(魚が真実を教えてくれるよ)と口癖のように言っているですが、ホントにその通り。
このラージマウス君達は、暖かい表層水が吹き寄せられるシャローフラットの、ボトムの堆積物の上(枯葉などの黒い堆積物の上は水温が上がるのも早く、保護色にもなる)で、じっと水温が上がるのを待っていたバス達ではないかと思われるのですが、何度も何度もクランクを通す事によって、口を使い始めたのです。
そして、釣れてくるラージ君達は、まさにそれを証明するかの如く、冬眠明けのバスに良く見られる口の中が真っ赤な個体ばかり。
これは想像でしかないですが、何度も何度も繰り返してクランクを通す事によって、ルアーが出す音やフラッシングが魚のスイッチを入れたのでしょうか?
真実は魚のみぞ知ると言う感じですが、ポールさんが予言していた言葉通り、スローリトリーブで何度も同じラインをクランクを通す事によって、魚のスイッチが入った事は間違いなさそうでした。
で、その後、更なるアジャストを試みます。
ラージ君を連発で食わせる事に成功したプロトクランクですが、このクランクは本来そうした使い方を想定していない事もあって(もっとスピーディー&攻撃的な釣りを想定しています)、このプロトクランクが持つ最大のストレングスを発揮できていないと感じたので、別のクランクを試してみる事にします。
となると、NLWルアーではブレードクランクがベスト。
水深3ft(90センチぐらい)のボトムをゆっくり引け、デッドスローで巻いてもアピールできるワイドウォブル&ブレードのフラッシング。
実はブレードクランクは、ボトムクロールにかなり向いた特性を持っているんですよね~♪
で、試してみたらやはり効く!
スタジオソラさんに無断で作ったブレクラ・ソラブルー君で!(笑)
ポールさんはルアーショップおおのさんオリカラのビビットタイガーで!
同じブレクラでも、オレンジ色が入っているのが非常に重要な感じでした♪(^o^)v
と言う訳で、非常に勉強になったコールドウォータークランキング。
絶対にココには魚がいる!という確信を持てて初めてやり通せる釣りだとは思いますが、クランキングの可能性ってホントに凄い!!\(^o^)/
そんでもって、この後、次々にアジャストして行くポールさん。
クランキングの次はジャークベイトで!
ブレイクの上にサスペンドするラージをジャークベイトで狙うパターン発動。
同パターンで、テリーさんがこの日の最大サイズとなった4ポンドぐらいのラージマウスをジャークベイトでキャッチ!!
嬉しすぎるわ~!\(^o^)/
そして、ポールさんの勢いは止まりません。
普段はジャークベイトでなかなか釣れないドラムとか。(しかもデカい!笑)
ボウフィンまでキャッチ!
このボウフィン君はジャークベイトを丸のみ。
もの凄い掛かり方をしてて、針を外すのに苦労しましたが、元気にリリースする事が出来ました♪
古代魚って、すごい存在感。
イカツイ中にも、どことなく可愛さが漂う風貌がタマランですね~。^^
で、ジャークベイトで探った後は、同じくサスペンドしているバス狙いで、ドロップショットミノーを用いたミドストっぽい釣りでラージマウスを連発するポールさん。
釣れるバス君は例外なくお口が真っ赤。
こういう口をしたバスって、琵琶湖とかだと2月ぐらいに釣れる事が多いですよね~。
ちなみに、ポールさんが行っていたジグヘッドのスイミングですが、日本ではミドストとして誰もが知る釣りですが、カナダでこの釣りをやっている人はまず見た事がありません。
もちろん、ポールさんもミドストなど知ろうはずもありませんが、
”色々試してたら、この方法も良く釣れるという事に気が付いたんだ~。はっはっはっ~。”
と、言ってました。(笑)
なので、同じジグヘッドスイムと言っても、完全にミドストみたいな感じではなく、使っているヘッドはラウンドヘッドではなくダートヘッド。
泳がせ方もミドストみたいに綺麗にワームをロールさせて泳がせるのではなく、もう少しリアクション要素が入ったような独特な泳がせ方でしたが、よく釣ってはりました。(マネしたけど僕には釣れませんでした。笑)
誰に教えられたわけでもなく、魚に教えてもらった釣り。
まさに"Fish tell us truth"です。
と言う訳で、この日の釣りは驚きと勉強の連続。
本当はここで幕を閉じるはずだったのですが、この後、ラージマウス狙いの帰り道にちょろっと立ち寄ったナイアガラリバー本流で見せてくれたジャークベイトの釣りで、ポールさんは更にアホビルダーを驚かせてくれたのでした。
オソルベシ、ポールさん!!
・・・・つづく
■ この日の使用タックル
ロッド : ノースフォークコンポジットJPR65L
リール : メタニウムMG7
ライン : レッドスプール16ポンド
ルアー : プロトクランク、ブレードクランクM5R、プロトジャークベイト115㎜他