Nishine Lure Works 裏日記

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フックの話 - トレブルフックの強度テスト その2

先日のトレブルフックの話の続きです。

■ 前回の記事 → 【フックの話ートレブルフックの強度テスト その1】

前回のその1では、トレブルフックの伸ばしテストについて書かせて頂いたのですが、今回のその2では潰しテストについて書いてみたいと思います。

このテストも伸ばしテストと同じく、必ず自分が行うテストです。

潰しテストの犠牲となったトレブルフックさん達。(の一部)
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このテストでは、プライヤーでフックを横方向から挟んで潰します。
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このテストを行った結果出る答えは二つです。

潰れるか・・・
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折れるか・・・
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実はフックが壊れる時って、こんな感じの折れ方(下写真↓)が一番多いんじゃないかと思います。
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トレブルフックの1本が折れて(もげて)Wフックになるパターン。(笑)

自分の経験上、こういう折れ方の一番の原因になっているのは魚とのファイト中ではなく、キャストミスをして何かにぶつけてしまった時とか、魚の口に掛かった針をプライヤーで外そうとした時など(←たぶん、このパターンが一番多い)でしょうか。

それでは100%絶対に折れないフックがベストなのか?

もちろん、折れないでいてくれるならそれに越したことは無いとは思うのですが、話はそんなに単純じゃないかなぁって言うのが、フックを壊しまくってきた僕の正直な感想です。

僕はフック作りのプロじゃないのであくまで勝手な想像の話と言う事で読んでもらえればと思うのですが、折れないフックを目指すならば焼きを少し甘くし、柔らか目の仕上げにするのは一つの方法ではないかと思うんです。

例えば昔のブロンズフックとか、もうぐにゃぐにゃ曲りまくるフックってありましたよね。(笑)

余談になりますが、そういうフックって使い方によっては、あえて根掛かり多発地帯に放り込むルアー用とかには、アリかもしれません。(フックを伸ばしてルアーを回収できる)


柔らかいフックの弱点に話を戻しますと、折れない代わりにフックポイントの耐久性が低くなるという傾向があると思います。

逆に仕上げを硬くして、フックポイントの耐久性を優先すれば、ワイヤーが弾力性を失い、簡単に折れるハリになってしまうと思うんです。

この辺のバランスが凄く微妙だと思うんですよね~。

例えばですが、この中国メーカーの針。(昨日のと違うメーカーです)
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実際に潰してみると、折れる事は無く潰れる針で、かと言って簡単に伸びるわけでもなく、なかなか素晴らしいクオリティーの針です。針先の鋭さも日本メーカーと同レベル。

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が、折れない代わりに、フックポイントの耐久性が若干低く、フックポイントが鈍るのが若干早いのが昨年のテストで感じた事でした。
ほんの少しだけ仕上げが柔らかいのが弱点になっているこのフックですが、色々試してみた中国メーカーのフックの中では、このメーカーのフックは均一性が群を抜いており、もしかしたら将来いいメーカーさんになるかもな~と個人的に期待しているメーカーさんです。

って、話が脱線してしまいましたが(汗)、色々壊したり、試したりしているうちに、素晴らしいと思うトレブルフックには、ある一つの共通点がある事に気が付きました。

それは何かと言うと、折れるけど折れない!という事。

へ?何それ?意味ワカラン!って感じかもですが、いい針は折れるけど折れないんですわ~!(笑)

これはオーナー社のST36。
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左は潰れていますが、右は折れています。

これはガマカツ社のトレブル13。
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このフックも左は潰れていますが、右は折れています。

これは今、ちまたで噂になりまくっているイチカワフィッシングのKamakiri。
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このフックも左は潰れていますが、右は折れています。

これらの針は伸ばしテストでは、ギリギリまで粘ってくれながら最後まで折れる事無く綺麗に伸びてくれるとても優秀なハリなのですが、この写真だけ見たら、何だ折れるじゃん!製品にバラつきがあるじゃん!って思われるかもしれませんね。

でも、それは違うんです。

どうしてこういう結果になるかと言うと、潰し方に秘密が隠されています。

っても、凄いテクニックで潰しているとか言う事ではないですよ。(笑)

どうして、折れたり折れなかったりするのか、その秘密は潰す方向にあります。

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この写真みたいな感じで、トレブルフックの2本の針を選んで潰していくと、この針とこの針に負荷を掛けても折れないけど、この針とこの針に負荷を掛けたら折れる。みたいなキャラクターがそれぞれの針ごとにあると・・・。
もちろん、毎回全く同じように折れるわけではないですが(折れない時もある)、平均的に見て、フックごとにそんな特性があるように感じています。

それが折れるけど折れないの意味です。

なら、どうしてそうなるのか?

素人の僕には想像するしかありませんが、もしかしたらフックのロウ付けとかが影響しているのかな?って想像しています。

いずれにしても、こんな感じで潰しテストで折れるけど折れないぐらいのセッティングの針を実際のフィールドで使ってみると、フックポイントの持ちを含めたフック全体の強度や耐久性がイイ感じのフックが多いように感じています。

そして、折れるって言っても、実験目的でここまで無理な力を加えて初めて折れるぐらいの感じですので、実際の使用では十分な強度を持っているという事を念の為付け加えておきますね。^^


ホント壊すたびに思う事なのですが、こんな微妙なところでバランス取りがされているのかと、フックメーカーさんの努力にただただ頭が下がる思いです。
これって、本当に凄い事だと思うんですよね~!

いずれにしても、魚とファイトをする上で、今自分が使っている針にどれぐらいの負荷が掛かったら壊れるか知っておくことはとても大切な事だと思いますし、魚と自分を繋ぐ重要ツールである以上、妥協はしたくない部分ですよね。

っとまぁ、トレブルフックの強度テストのお話でした~♪ (^o^)v


フック話はまだまだ続きます・・・。
by nishinelureworks | 2017-02-16 14:56 | タックル | Trackback

フックの話 - トレブルフックの強度テスト その1

最近、各社から色んなトレブルフックが発売されており、イイものが随分増えてきましたね~。

タックルの中で最重要とも言えるフックの選択肢が増えるのはユーザーにとって素晴らしい事だと思います♪

もちろん、ルアーを作るビルダーにとっても、フックはとても重要なパーツ。

偏った内容になるかもしれませんが、フックについてビルダー目線で書いてみたいと思います。

まず、今回書いてみようかなぁというテーマは「フックの強度」について。

針先の鋭さとか、形状とか、コーティングとか、色々語られる事が多いですが、強度についてはなかなか見えない部分ですよね。

と言う訳で、僕は新しいフックを入手したら、壊して強度を確かめています。

フックメーカーさんには大変申し訳ないのですが、実験の犠牲となったフックさん達(の一部)。
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おそらくですが、去年1年間だけで日本製、アメリカ製、中国製、ヨーロッパ製などなど、数十種類のフックを伸ばしたり潰したんじゃなかろうかと。(汗)

そんな中感じているのは、鋭さとかだけでフックの良し悪しを語るのは全く足りないんじゃないかと言う事です。
例えばの話ですが、鋭さだけを言えば、中国メーカーのフックでも、日本メーカーと遜色ない鋭さを持つフックはあります。(正直、かなり高い完成度のフックもあります)
ならば、その鋭いフックがベストフックか?と言えば、決してそんな単純なもんではないと思うんですよね。

魚に針先を刺して貫通させ、ファイトし、ランディングに持ち込む為の道具である以上、やっぱ、トータルバランスが凄く大事かなぁと。

って、話が脱線しまくってますね。(汗)

強度について話を戻しますね。

僕が実際に行っているテストは、伸ばし潰しの2種類。

針先をペンチで掴んで、ジワーとフックを伸ばしていくテストを一番最初に行うのですが、ダメなフックはこのテストで簡単に折れてしまいます。

これは一番ダメな折れ方のフック。
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焼き入れが硬すぎるのか知りませんが、ペンチで伸ばしていくと、途中でぽっきり折れてしまうパターンなのですが、このタイプの折れ方をするフックは正直全く使い物にならない気がします。

理想的な伸び方はこんな感じ。
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ジワーと伸ばして行くと、ペンチに伝わってくる反力にバラつきが無く一定。
折れないギリギリぐらいのところで粘りながら最後までジワ~っと綺麗に開いて行ってくれるフックはとてもいい感じです♪

折れてしまうぐらいなら伸びてくれた方が、魚をキャッチできる可能性が残るので、ギリギリまで粘ってくれつつも折れないで伸びてくれるフックが自分は好きです。

あくまで僕が試した範囲内ですが、こんな感じで綺麗に伸びてくれるフックはラウンドベンドのフックが多いように感じています。
詳しい事は良くわかりませんが、ラウンド形状だと、負荷が一か所に集中しづらい=折れづらいって事なんでしょうかね~?

最近、ベンド部がカクッと急角度で曲がってフックポイントが内側を向いているタイプのトレブルフックが増えてきていますが、同じテストをすると、このタイプのフックはラウンドベンドより若干折れやすい傾向があるように感じました。
これまた詳しい事は分かりませんが、ワイヤーが急角度で曲がっている部分に負荷が集中してしまいやすいのかもしれませんね。

とは言うものの、この傾向が見られたのは主に中国メーカーで、キチンとしたメーカーのフックであればラウンドベンドタイプに負けず劣らず綺麗に粘ってくれますのでご安心を。^^
例えばマスタッドのKVDエリートとか、このタイプのベンド形状を持つフックの最たるものかもしれませんが、伸ばすのが大変なぐらいしっかりしてながらも、無理やり伸ばしても折れないとても強いフックだと思います。
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この伸ばしテストで思うのは、伸びていく時の安定感とでも言ったらいいのでしょうか。
良いフックは3本とも同じ力で同じようにジワ~っと曲がって行きますが、品質が悪いフックは3本の硬さがばらけていたり、ジワ~ではなく、ギシギシと軋むような感じで伸びていく感じのフックが多いように思います。

高品質のフックを伸ばす時に感じる、折れるギリギリぐらいのところでジワ~っと粘りながら伸びて行ってくれる絶妙なワイヤーの硬さ&柔軟性を持ったフックは、曲りながらもこれ折れないだろと、安心感すら感じます。^^

そんでもって、それと同じぐらい重要と思うのは製品のバラつきの無さ
ランダムにピックアップしたどのフックも、同じ力で同じように壊れてくれるコンスタントさは非常に重要に思います。

更に言えば、製造時期の違いに関係なく、フックサイズや形状が異なるモデルに関係なく、全てのモデルで同じような壊れ方をしてくれるメーカーさんはやっぱり信頼できます

ワイヤーの線径が違うだけで焼き入れ条件等は異なるはずですし、それぞれにベストバランスがあるはずなので、このモデルは強いけど、このモデルは弱いみたいなフックメーカーのハリは僕的には信用できません。(笑)

僕はフックメーカーではないので詳しい事は分かりませんが、針先を鋭くとがらせる事よりも、コンスタントな品質を保って行く事の方が技術的な難易度は高いんじゃないかなぁ?って想像しています。^^


例えば、上でも書きました通り、中国製のフックでもすごくいいものはあるんです。

下の写真のフックとか、オーナー社の名作のST36の丸コピーみたいな中国メーカーのフックですが、正直、このメーカーのこのフックのこの番手だけに関して言えば、オーナー社のST36と同じか、もしかしたらST36以上に鋭いフックポイントと、強度を持ち合わせています。
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中国の釣具展示会とか行くと、中国のフックメーカーが沢山出展しており、本当に沢山のST36のそっくりさんがあるのですが、そんなそっくりさんのサンプルを出来る限り集めて破壊してみたところ、このフックだけはオソルベシ完成度でした。(それ以外のほとんどのハリは見た目だけのそっくりさんでした。笑)

なら、このフックメーカーがいいか?と言えばそれは全く別の話で、このメーカーの同じモデルの違う番手や、他のモデルを壊してみたら、ビックリするほど脆くて、全く使い物にならない感じ。

そうなると、このフックがどんなにいいクオリティーであっても使う気になれないし、オーダーなんて、とても恐ろしくてできません。(同じクオリティーのモノが来るか全く保障ないですもんね。汗)

オーナー社にしろ、ガマカツ社にしろ、その他一流メーカーにしろ、釣り人達から長きに渡って信頼を受けているメーカーはその辺りが全く別次元ですね。

昔はあまり選択肢がありませんでしたが、最近はいいフックが増えて、ホントいい時代になったなぁって思います。(^o^)v

話が長くなりましたので、続きは次回で~。
by nishinelureworks | 2017-02-13 13:08 | タックル | Trackback
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ルアー開発、釣り、その他もろもろの徒然記


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