デンプシーテール開発裏話 その3 『シングルスイッシャーで可能性を発見!!』
2009年 09月 03日
と言うか、これからが本題。(笑)
それまでの研究でサブサーフェスの有効性は確認できたものの、それをどうやって形にしたら良いか解らないまま冬に突入。
カナダの長い冬にサブサーフェスルアーの開発が出来るわけもなく、開発は完全に頓挫してしてしまったのでした。
で、春になり、いよいよ開発を再開。
今まで105mmボディーのウッドプロトをベースに開発していたのですが煮詰まり気味だった為、
ふとした閃きからSD85Fボディーはどうなんだろう?って試してみる事にしました。
なんでSD85Fボディーか?と聞かれれば、勘!!としか言えない根拠の無さ。(笑)
でも、SD85Fの大きすぎず小さすぎないボディーは大抵のフィールドのベイトフィッシュの大きさにマッチするし、
何よりも、SD85Fボディーがサブサーフェスになりたいよぉ~って訴えているみたいな気がしたんですよね~。(なんじゃそりゃ?笑)
このルアーの声?が聞こえてくる感覚って、自分にとってはとても大切な感覚で、
どんなに素晴らしい理論を聞かされたとしても、ルアーの声が聞こえないルアーは、単にルアーのような形をしている物質としてしか感じれないんです。
逆に、この声が聞こえた時は、どんなヘンなものであっても、徹底的に追求する事にしています。
つか、話が脱線しすぎですな。(笑)
さて、このSD85Fボディー。
このボディーをどうしたらサブサーフェスで泳がせる事が出来るか・・・。
まずは最も安直な手法で、単純にリップを立てウェイトを軽くしたモデルを試作。
が、これは単に、今まで作って来たモデルを小さくしただけの話で、やはり上手く行きませんでした。
超サブサーフェスを泳がせられない事は無いのですが、リトリーブスピードやロッドコントロールが超シビアで、これではサブサーフェスをキープする事に疲れてしまって、釣りに全く集中できない。
こりゃあ、ダメだな、と・・・。
一言で言えば、釣りにならんっ!(笑)
水を吸ったウッドプロトがどれほど絶妙なバランスだったか、改めて思い知る事になりました。
サブサーフェスを安定して引くと言うのは非常に難しい・・・・。
ルアーのセッティングはもちろん、タックルによっても影響されますし、何よりも使い手の技量によって大きく変わる・・・・・開発を重ねるごとに、不可能なのでは?とすら思えてくる始末。
これがね、完全にウェイクベイトに限定してしまえば、逆に楽なんです。。
セッティングの答えは、0か100かみたいな感じで答えは明白ですから・・・。
で、結論として、サブサーフェスレンジを安定して引くにはリップ付きミノーは不向きと結論付けました。
ならどうするか?
答えの一つは、リップレス!!
で、作ったのがこのモデル。
これまた直感で作ったスイミングシングルスイッシャーとも言うべきルアー。。
最初はテイルプロップもコロラドブレードも装着されて無かったのですが、SD85Fボディーを弄くっているうちに、プロップとブレードを付けてくれ~って、またまたルアーの声が。(笑)
これまた、勘です!!(またかい。笑)
テイルプロップとコロラドブレードに受ける水抵抗とのバランスを取る為、タイイグアイは頭頂部に設置。
これがかなり良い感じで、少し早めに引くと、水面直下を泳ぎながら、時折、ビシュッ!ビシュッ!っとテイルプロップが水飛沫を上げながら泳いできます。
見た感じは超釣れそう!!(笑)
で、早速実釣テストに投入。
超釣れそうな動きな事もあって、自信満々だったのですが、テスト結果は????
これが不思議に釣れない!!(爆)
頭の中はマジで????????(汗)
そして、開発は更なる試練を迎えるのでした。
しかし、このモデルで学んだ事は、その後デンプシーテールの開発を大きく前進させる事となりました。
最大の収穫は、
リップが無くとも、コロラドブレードを運動源にして、ルアーにロールアクションを発生させられる事!!!
今までは、単にフラッシングと音の発生装置として装着していたコロラドブレードでしたが、暴れるコロラドブレード自体が運動源になる事を知ったのです。
今思えば、この現象を発見した瞬間こそがデンプシーテールの開発が大きなターニングポイントを迎えた瞬間だったのだと思います。
そして、その後、遂にWプロップ+コロラドブレードというデンプシーテールの基本機構が誕生する事になります。
つづく・・・・