デンプシーテール開発裏話 その4 『デンプシーテールの原型誕生!!』
2009年 09月 08日
■ デンプシーテール開発裏話 その1 『全ての原点』
■ デンプシーテール開発裏話 その2 『サブサーフェス開眼!!』
■ デンプシーテール開発裏話 その3 『シングルスイッシャーで可能性を発見!!』
前回の開発裏話でご紹介させて頂いたシングルプロップモデルで発見した可能性。

それは、リップが無くてもコロラドブレードの運動力で、ルアーにロールアクションを発生させられるという事でした。
このプロトモデルを湖に投じた最初の一投目の衝撃は今でも忘れる事が出来ません。
この現象を発見した事で、デンプシーテールの開発は一気に前進!!
開発を長く続けていると、今までどうしても越えられなかった壁、どうしても開かなかった扉がいきなり開く瞬間が来る事があります。
まさにこの瞬間こそがデンプシーテールの開発が次の領域に突入した瞬間でありました。
が、この時点ではまだ釣果面で納得行くものではありませんでした。
前回の開発裏話でも書きましたが、シングルプロップバージョンの動きは、見た目的には凄く釣れそうなもののバスの反応は得られず、?????
しかもちょうどその頃、ホームフィールドのS湖が閉鎖され、やっとこさH湖を見つけた時期で、
当時、今よりももっと理解が進んでいなかったタフレイクのH湖でのテストでは全く確信が持てない状態。
釣れない理由が、ルアーのポテンシャルによるものなのか、
それとも単純にH湖にバスが少ないから釣れないだけなのか、全く判断が付きません。
で、H湖では結果が見えてこないとの結論に達し、オカナガンバレー遠征を決意。
そして、オカナガンバレーでもう一つの可能性を試してみるべく、
ダメ元でWプロップ化したモデルを作製。
それがこのモデル!!

この時点ではその破壊力にまだ気が付いていませんでしたが、
遂にWプロップ+コロラドブレードというデンプシーテールの基本概念が誕生!!
早速スイムテストしてみると、コロラドブレード効果はこのWプロップモデルでもしっかり現れ、
シングルプロップバージョンほどでは無いですが、ヨロヨロとロールしながら泳いできます。
そして、泳ぐレンジは完璧!!
リップ付きプロトであれほど苦労した水面直下5センチ以内の超サブサーフェスを簡単に引けます。
おおおおーー、こんなところに答えがあったのかーーー!!って興奮。(笑)
が、人間の見た目的にはWプロップバージョンは水面直下を静かに泳ぐだけで、
シングルプロップバージョンのようなインパクトはありません。
この時点ではまだ自分の中の本命はシングルプロップバージョンだったのですが、
Wプロップバージョンを引くたびに感じる、妙な感覚・・・・。
この妙な感覚は何だ??
ルアービルダーとしての経験から感じる事は、動き的にはシングルプロップバージョンが良い。
でも、釣り人としては、Wプロップバージョンが発する妙なオーラ?とでも言ったらいいんでしょうか・・・・それが凄く気になって仕方が無い。
ビルダーとしての勘か?
それとも釣り人としての勘か?
その疑問を紐解くべく、
二つのルアーをタックルボックスに忍ばせ、一路オカナガンバレーに車を走らせたのでした。
つづく・・・・