デンプシーテール開発裏話 その5 『シングルプロップVSダブルプロップ』
2009年 09月 09日

テストフィールドの舞台になったのはオカナガンバレーのとある小さな湖。
初めて訪れるフィールドだったのですが、ジンクリアーの水質で全て丸見え。
黒っぽい藻の上にバスがサスペンドしているのが見えます。
で、これを何とか釣れないかと色々試してみると、潜る系ルアーは全滅で、
かすかにバスの反応を得られたのは、ビーツァM3のソフトリッピングと、
当時既に形になり始めていたブレードクランクM1Rプロトの水面直下デッドスロー引き。
でも追いかけては来るものの、食ってこない。
四苦八苦した末に、M3のソフトリッピングでなんとか1匹キャッチできたのですが、
その一匹は風が吹いてきた瞬間に一瞬だけバスの活性が上がった感じのヒット。
どうやら、水面がキーみたいな雰囲気だったので、トップはどうか?とスーパーチナイ他、持っていたトップウォータールアーを色々試してみるも全滅。(涙)
普段は殆ど封印している、自分的最終手段のノーシンカーカットテイルまで試してみるも不発。。
ノーシンカーで水面直下を棒引きすると、テイルをかじってくるようなバイトは出るものの、
フッキングするところまで食い込んでくれない。(涙)
そんなんアリ??
何じゃこりゃあ~~~~~~????
バスの姿は沢山見えるのに、根本的にバスの活性が低いのかな?としか思えない状態。
で、ダメ元で、シングルプロップとWプロップのプロトモデルの反応だけでも見てみようかとテスト開始!!
まずはシングルプロップモデルから・・・・。
が、やはり他のトップと同じく無反応。
やっぱりダメかーーー。
で、更に期待することなく、Wプロップを投入。
すると、ここで異変が!!!
今まで何を投げても無反応に近かったヤツラが、
いきなり群れになってルアーを追い始め、ルアーを突いてくる!!
これにはホントにビックリ!!
マジ、何だコレ??????????
なかなかフッキングしないものの、水面直下をゆっくり引いているだけでアタリまくり!!(汗)
で、比較検証する為に、再度シングルプロップバージョンに変えて、同じレンジを引いてみるものの、全く不発。
そして、もう一回Wプロップバージョンに戻すと、またもや同じようにバスが反応しまくり!!(大汗)
僕はもちろん、横で見ていた嫁さんもビックリ!!(マジ汗)
何でこのルアーだけ反応するの????
音?
フラッシング?
水流?
原因はわからないけど、シングルプロップでスイッチが入らないものが、Wプロップにするとスイッチが入る現象・・・・。
上手く言えませんが、活性の高いバスを釣っているのではなく、能動的にバスのスイッチを入れてしまう何か。
このルアーはそんな未知の力を秘めているような気がしました。
そして、何匹かのバスをキャッチした時、Wプロップバージョンは確たる自信となり、
次なるステップにテストステージを進める事を決意。
日本国内でのテストです。
オカナガンから帰って来た数日後、
幾つかの色に塗られたプロトモデルが日本のテスターさん達の元に旅立って行ったのでした。
そして、そこで起こった事は良くも悪くも衝撃以外のナニモノでもありませんでした。
実践投入したテスターさんから続々と届くメール・・・・。
オカナガンバレーのとある小さな湖で感じたある種の期待感、
そして、その期待感と同時に感じていた不安に思っていた事。
テスターさんから頂いたメールには、異句同音ながらも同じような事が書いてありました。
バスの反応は凄いです!!でも掛かりません!!!
極めつけは井上特攻隊長さんから頂いた琵琶湖で50バイトゼロキャッチ!!!!!!(涙)
もはや、NLWの中では伝説となっている井上さんの50バイトゼロキャッチ・・・・。
デンプシーテールの日本デビューは凄まじい洗礼で幕を開けたのでした。
そして、この日から、デンプシーテールのフッキング率向上の挑戦が始まる事になります。
つづく・・・