デンプシーテール開発裏話 その9 『アタリプロップ』
2009年 10月 17日
デンプシーテールのプロペラですが、このプロペラに関しては水面でのスイッシュ性能とか、
回転性能とかはあまり重要視していません。
デンプシーテール専用に設計したカスタムプロップという訳でもなく、アメリカ製の既製品を使用しています。
がね、このプロップ、凄くデンプシーテールと相性が良いんですわ~♪
プロップ選定で重要視したのは、スイッシュ性能や回転性能ではなく、プロップが発生する生命感。
訳ワカラン表現で非常に申し訳ないのですが、僕自身も言葉に出来ない感覚です。(要するに直感です。笑)
前回の記事でも書かせて頂きましたが、開発中は色んなプロップを試してみました。
デカイのから小さいのまで、トンガリ型、丸型、ボス付き、ボス無し。
そんな中で、デンプシーテールに非常に相性の良いプロップが二つ見つかりました。
それがこの二つのプロップ。 ↓ ↓
左:デンプシーテールの採用されたポインテッドプロップ。
右:初期型プロトで使っていた丸型プロップ。
まさにシンプル・イズ・ベストな2枚。(笑)
丸型プロップはスミスウィックのデビルズホースや、バグリーズのスピンテイルバングOなどに使われているので、お馴染みのプロップですよね♪
この2枚のプロップはデンプシーテールとの相性も良く、魚も良く釣れました。
で、色々試してて感じたのが、プロペラが出す水流とか、回転音とか、アタリプロップってあるんじゃないか?って感じました。
長年生き残っているプロペラには何か理由があるのではないかと。
めちゃくちゃシンプルで、しかも作りも雑なんですけどね。(笑)
これはブレードにも言える事だと思いますが、プロペラのサイズ、形状、厚み、素材・・・・・・考え始めると収集が付かなくなりますが、アタリモノと言えるものは、それだけで魚を惹き付ける力を持っているような気がします。
で、デンプシーテールではどちらのプロップにするか迷ったのですが、
最終的にフッキング率との兼ね合いを考慮して、細身のポインテッドプロップを採用。
デンプシーテールの場合、後ろからバスがルアーを吸い込んできた時に、コロラドブレードとテイルプロップが邪魔になってすっぽ抜ける事があったので、フックポイントを邪魔する確率を多少なりとも減らす為の細身プロップという訳です。
このプロップ、既製品ですがプロペラの角度にはかなり拘っています。
上:フロントプロップ
下:テールプロップ
前後で逆ヒネリにし、そして、フロントは浅い曲げ角度、テールは深い曲げ角度。
デンプシーテールの動きや特性に合わせて、前後の羽の角度を異なる角度に修正しています。
フロントプロップが比較的浅い曲げ角度なのは、より径の大きなタービュランストンネルを作る為。
他のタイプのルアーに無くて、Wプロップベイトのみが持ちえる最大の特徴は、ルアー本体が水の揺らぎの中を泳ぐ事にあると僕自身は考えています。
要するに、フロントプロップが作るタービュランストンネル(=水の密度が変化)の中をルアー本体が泳ぐ事によって、バスがルアーをニセモノと認識し辛くなるのでは?と感じています。
以上がフロントプロップに対する考えです。
そして、テールプロップ。。
テールプロップの曲げ角度が深いのは、アクションとの兼ね合いと、フッキング性能の両立の為。
デンプシーテールの場合、腹部のコロラドブレードが左右に暴れる事によってロールアクションを発生させているのですが、その際にテールプロップとコロラドブレードの接触タイミングが非常に重要になってきます。
簡単に言えば、寝気味のプロップはコロラドブレードと接触回数が減り、立ち気味のプロップはコロラドブレードとの接触回数が増えます。
で、テールプロップの羽角度が立ち過ぎていると、テールプロップにコロラドブレードが引っ掛かりすぎて、コロラドブレードが左右均等に上手く暴れてくれなくなってしまいます。
コロラドブレードの暴れ角&スピード。
テールプロップの回転スピード&角度。
それら接触が上手く行くのが上写真の角度と言う事なんですね。(もしデンプシーテールの動きが変になってきたと感じられましたら、上写真のプロペラ角度を参考にして下さい)
そして、テールプロップが寝気味になるともう一つ良い事があって、テールフックのフッキング率が高まる効果があります。
小さいプロペラ(=フック径よりもプロペラサイズが小さい場合)はあまり関係ないですが、プロペラ径がフック径よりも大きい場合は、プロペラがバスの口をこじ開けて、フックがすっぽ抜ける事があり、寝気味のプロップはすっぽ抜けの確率を低くしてくれます。
以上が、デンプシーテールのプロペラに込められた想いです。
最後に話は変わりますが、今回デンプシーテールには採用しなかった丸型プロップについて一点だけ補足しておきたいと思います。
このプロップの名誉の為に書いておきたいのですが、このプロップも非常に優れたプロップだと思います!!
FDカスタムさんのSPYにはこの丸型プロップが採用されていますが、
FDカスタムさん、このプロップの力を絶対に解ってらっしゃると思いますわー!!
FDカスタムさんがチューニングされるルアーって天才的(と言うか変態!!笑)で、オッソロシイほど釣れます。(FDカスタムさんのブログはコチラ)
このSPY君、もし機会があったらぜひ一度使ってみて頂きたいのですが、超ヤバ。(マジ)
僕自身は、ノーマルデンプシー、ブレードレスデンプシー、そして、このSPYとK1DSRが自分のサブサーフェス攻略の4本柱になっています。
全てのルアーが微妙に狙いどころが違ってて、それぞれの出番があるので、この4つのルアーのローテーションはかなりお勧めですよ~!!
あと、更に関係ない話になりますが、色んなプロペラを見てて、これは凄いのでは!?と思ったプロップはこのプロップ!!
『ノリーズ社のビハドウ』に使われているプロップは凄く良いような気がしますね~。
何とも言えないチロチロ感というか生命感、そして回転音。
あくまで勘ですが、このプロップは凄く魚を呼びそうな気がします。
っちゅう訳で、プロペラの話でした~。
次回からは本題に戻り、デンプシーテールのフッキング率向上作戦の本命話。
そしてボディー進化等について書かせて頂きたいと思います。
まだまだ続くのか?って思われた方、スイマセン!!
まだまだ続きますよ~。(笑)
つづく・・・・・・