デンプシーテール開発裏話 その10 『フッキング率向上への布石』
2009年 10月 23日
すげー書きたくない話です。
長々とここまで開発裏話を書いてきましたが、ホントはここで話を終わらせたーい!!(マジ)
でも核心部に触れない事には、何が何だかさっぱりご理解頂けないと思うので書かせて頂きますね!!(あまり気は進みませんが・・・)
今まで、デンプシーテールのフッキング率向上については、フックのセッティングを換えたり、プロップ形状を見直したり、アタックしてきたバスを如何に掛けるかという点に焦点を当てて、改良を繰り返していました。
確かにそれらのチューンは効果がありました。
が、それでもミスバイトの方が遥かに多い状態。
初期モデルでは10匹に1匹ぐらいしか掛からなかったものが、改良の結果、3匹に1匹は掛かるぐらいの状態になり、このルアーの限界点はこの辺か?と思い始めた頃、ある一つのルアーがふと頭の中に思い出されました。
そのルアーがこれ!!

デンプシーテールの超原点となった、サブサーフェスルアーのウレタンボディーモデル。
このプロトモデルは、ウッドボディーをウレタンボディー化した1号機なんですけど、
内蔵ウェイト量を大幅に見当違いしてしまって、シンキングになってしまったモデル。
いわゆる失敗作です。(笑)
それも大失敗作。(爆笑)
ボディー素材を変える時によくある失敗なのですが、素材浮力の違いを読み切れなくて、こういった失敗をする事は良くあるんですが、今回は、この失敗作が非常に重要な事を教えてくれました。
このルアー、ウェイクベイトで作ったはずなのに沈む(それもかなりファーストシンキング。爆)という超大失敗作なんですけど、
沈む以外にも特徴があって、
スローリトリーブだと棒のように真っ直ぐ泳ぎ。
ある一定の速度を越えると突如ロールし始める。
という特徴を持っていました。
そして、コロラドブレードだとテールから沈みすぎてしまうので、軽量コンパクトなスウィングブレードを装着。
端的に言えば、
デッドスロー~スロー域ではボディーは棒引きで、ブレードだけが回っている状態。
ミディアム~ファースト域ではボディーがロールしながら泳ぐ状態。(シンキングミノー)
最大の特徴は、そのアクション変化が、ある一点のスピードを越えた瞬間に突然起こる事。
で、このルアーを実釣テストに持ち込むと、これがまた意外なぐらい魚の反応が良い!!(笑)
スローリトリーブでは何もアクションせず、真っ直ぐ泳いでくるだけなのに、バスが次から次に湧いてきてアタックしてきます。
これにはビックリ!!
でも、これらのバスは殆どフッキングしませんでした。
ならばと、リトリーブスピードを上げていってやると、バスがアタックしてくるタイミングが変わる事に気がつきました。
バスがアタックしてきたのは、
棒引きでツーと泳いでいたものが、いきなりグワグワと泳ぎ出した瞬間。
ルアーのアクションが変わった瞬間にバイトが多発したんです。
そして、それに食ってきたバスは見事にフッキングしまくり!!
これは何かあるぞ?と。
で、もう一回デッドスローに戻して、よ~く観察してみると、この場合バスが食ってきているのはブレードの辺り。
小さいバス君になればなるほど、ブレードを突っつくような感じ。
ルアーを咥えられるサイズのバス君も、やはりブレードの辺りをそっと咥えています。
んんんんん?????
そして、やっぱりこの引き方では掛かりません。
そして、今度は超ファーストリトリーブのストップ&ゴーを試してみると、食ってくるバスの殆どがルアーが止まった瞬間に猛ダッシュをしてバコーン!!と激しく体当たりをするように、フロントフックの辺りを食ってきます!!
おおおおおお!!!!!!
そして、今度はブレードを外して、またまたブレードレス状態でデッドスローリトリーブの棒引きを試してみると、バスの咥え方は緩いものの、ちゃんとルアーの頭~フロントフックあたり目掛けて食ってくる!!
もうね、!!!!!!!!!!!!って感じ!!
これらの現象を重ね合わせて考えると、
もしかしてバスって、襲う対象物によって攻撃の場所や、バイトの強さを使い分けているのでは??
と思った訳です。
想像するに、
■ 一番最初に試したブレード付きの棒引き状態
一番目立った動きをしているのは腹部でクルクル回るブレードな訳で、バスにとってはその部分の動きを止めてやることが一番確実に捕食対象物の動きを止めることが出来る場所と認識しているのでは?
■ 2番目に試したルアーの速度を上げていった状態
ルアーのスピードを上げて行って、アクション変化が起こった瞬間にバイトが集中したのは、追尾していた対象物が逃走モードに入ったと勘違いするか何かして、慌ててバイトしてきたのでは?
■ 3番目に試した超ファーストリトリーブのストップ&ゴー
超ファーストリトリーブのストップ&ゴーでは、バスにとっては対象物が止まった一瞬が最大の攻撃チャンスになっているのでは?
■ 4番目に試したブレードレスのデッドスローリトリーブ
何のアクションもせず、ゆっくりとルアーが平行移動するこの状態では、頭や腹を押さえてやるのが、バスにとって一番確実な攻撃場所と言う事では?、
そして、ルアーの動きが弱い事から、バスにとっては緩く咥えるだけで充分仕留めれると認識しているのでは?
かなりあてずっぽうな考えではありますが、以上のように予測しました。
考えてみれば、激しく泳ぐトリプルインパクトのようなルアーにはもんどりうって激しく食ってきますが、ソフトベイトにはそんな激しい出方はしませんよね。
それに、自然界の生き物が、無駄なエネルギーを消費するような事はしないとも思うんです。
最小限の力で仕留められるならば、その力しか使わない。
その事を思い出した時、もしかして、バスの食い方をコントロールする事が出来れば、フッキング率を上げることも可能なのでは?との思いに至ったんです。
初期型モデルのデンプシーテールに出てくるバスは、やはりブレードの辺りを食ってくる事が多く、しかも、バイトの出方もゆるい。
どちらかというと、ハードルアーというよりもソフトルアーみたいな感じで、そっと咥えるようなソフトバイトが非常に多い。
見た感じ、疑う事無く食ってきているのですが、バスの食い方もユルイが故にフッキング率も低い。
それならば、デンプシーテールの動きを調整してやる事によって、バスの食い方を変えられるのでは?
もし、バスの食い方を激しくしてやる事が出来れば、フッキング率が上がるのでは?
僕がやっとこさ辿りついた方法は、バスの食い方をコントロールする事!!!
デンプシーテールの核心部・・・・・・・・『バイトコントロール』
ホントにそんな事が実際に可能かどうかワカランけど、
遂に見つけたぜぇ~~、改良策を!!!
そして、いよいよ新型ボディーの設計に入る事になります。
つづく・・・・