Voice From The Water 『心の灯火』
2012年 01月 05日
昨年の今頃は、この土地に来るために必死で働いていたのを思い出します。
そして、無事にオンタリオの土を踏めた2011年。
エライ遠いところまで来たもんだなぁ~ってつくづく思います。
ふと気が付けば、もはや日本よりもヨーロッパの方が近い場所に居る自分。。
英語なんて一生縁が無いだろうなぁって思っていたのに、人生とは本当に分からないモノです。
この広大な大地に、何故自分は立っているのか?
そして、何処に向かって走り続けているのか?

今、自分が走っている道の先にはどんな景色が待っているのでしょう。
自分には、今自分が走っている道が正しいかどうかすらわからないけど、たった一つだけ言える事があるとしたら、このたった一度しかない『人生と言う旅』を思う存分楽しみたい。
自分は鳥取という片田舎で生まれ、物心がつく頃には釣りと言う遊びをしていました。
そして、中学に入学する頃に出会ったルアー釣り。
その遊びは少年にはあまりにも刺激的で、すべてがキラキラと輝いていました。
そして今、初めてルアーに出会ったその日から30年近くの歳月が経つにも関わらず、その煌めきは全く色褪せる事無く、大きな感動を与え続けてくれています。
そんな一生の趣味とも言える事に、人生の早い段階で出会えた自分は極めて幸運だったのかもしれません。
高校を卒業すると同時に、自転車にテントと寝袋とロッドをくくりつけて出発した自分探しの旅。
釣りをしたい一心で、そして少しでも良いルアーを作りたい一心で続けてきた旅の道程が、まさかこんな地球の裏側まで続いていたなんて、当時の自分は全く想像もしていませんでした。
本当に遠くまで来たもんだとつくづく思いますが、おそらく釣りとルアー作りという心の支えが無ければ、決してここまでたどり着けなかっただろうとも思います。
カナダに渡り、全てが暗中模索の中、言葉すらまともに理解できなかった自分に、釣りとルアー作りがどれほどの力を与えてくれたか。
様々なトラブルに見舞われ、生きている事すら辛いと思える時も、釣りは心を癒してくれました。
そして、ルアー作りは、そんな自分に生きる事の意味と価値を教えてくれました。
釣りとルアー作りは自分にとって『心の灯火』のような存在と言ってもいいのかもしれません。
心の灯火を持ち続ける事。。。
本当に怖いのは、自分の行き先がわからない事などではなく、心の灯火を失ってしまう事。
真っ暗なトンネルの中を歩かなければならない時も、心の灯火さえ絶やさなければ、少なくとも自分を照らし続ける事だけは出来ます。
そして、勇気をもって前に進めば、何時かはトンネルの出口が見えてくるかもしれない。

長い長い道を走って辿り着いたオンタリオと言う土地。
トウモロコシ畑の上で輝く月は、日本で見た月と同じでした。
自分と自分の家族は、この土地でどんな幸せを見つけるのでしょうか。
ナイフ一本で生きてきた自分に、この土地はどんな事を教えてくれるのでしょうか。
この土地で自分の夢を追求出来る事に、心から感謝したいと思います。