ミノーバイブ物語 その3
2013年 01月 15日
それが、ジャーク&フォール!!
スモールマウスと違って沖に出れないラージマウス君達ですが、単発で個々にリップラップに潜んでいるのではなく、5~10匹程度の小規模の群れを作って、リップラップ帯をウロウロしているのが特徴でした。
ワカサギの群れが出始める秋の芦ノ湖でも、ワカサギの群れの周囲をうろつくラージマウスのグループを見かける事が良くありましたが、大きな群れで移動するベイトフィッシュをターゲットにした場合、ラージマウスも群れで狩りをする習性があるんでしょうか?
詳しい事は良くわかりませんが、単発でついているバスよりもスイッチを入れやすい状態である事は間違いありません。(競争心でスイッチが入りやすい)

自分が釣っていたのはこんな感じのリップラップなのですが、バスの動きをよく観察していると、回遊経路の中に必ず立ち寄る岩が何か所かあるのが確認できました。
おそらく彼らが捕食ポイントとし、キーになっている場所と思われますが、そういう場所にバスが入ってくるタイミングを見計らって、ミノーバイブを使ってジャーク&フォールのアプローチを試みると、面白いようにスイッチが入りまくります!
しかし、これがなかなか掛からない!!(汗)
ズバッとジャークアップして、スイ~とスライドフォールさせると、面白いようにスイッチが入ってバスが口を使ってくるのですが、これが不思議なぐらい掛からない。
掛かりづらい理由は幾つかあって、まずはバイトのタイミングがフォール中に集中する為、バイトを手元に感じる事があまりないんです。
ズバっとジャークした直後、スイ~とフォール始めた瞬間、リップラップから飛び出してくるか、下から突き上げてくるか、いきなりバスが出現して食ってくる訳ですが、その殆どが無重力バイト。
落ちてくるものにパクって来て、そのまま反転せずじっとしている事が殆どなので、食った瞬間をサイトで確認して瞬時にアワセを入れない限り、なかなか掛かってくれないんです。(涙)
これが巻きで狙っている時だと、食った瞬間にバスが反転してくれる&巻きパワーがそのままアワセパワーになるので、オートマチックに掛かってくれる事が多いですが、フォーリング中のハードベイトに食ってきて、そのままじっとされていると本当にビックリするぐらい掛かりません。
と言う訳で、早速ミノーバイブ君に改良を入れます。

2フック仕様だったものを3フック仕様に。。
そして、タイイングアイについても、ジャーク&フォールに適したセッティングの場所を模索していきます。
と言う訳で、プロトタイプはアチコチにワイヤーが設置された状態に。(笑)
んで、この改良型モデルを試すと、確かにフッキング率は多少向上!
流石にフックが3本付いているので、バスが食ってきたらどれかの針が刺さる確率が上がるんでしょう。
でも、劇的な向上とはいかない!
そして、掛かっても凄くバレる!!
ボディーが長い&自重があるため、バスがヘッドシェイクした時にルアーが激しく振られ、そしてテコの原理が働く事によって、物凄い確率でバレが多発します。
その確率は10匹掛かっても、キャッチできるのは2匹ぐらいとかそんな感じ。(涙)
自分のルアーフィッシング史上、ここまでバレるルアーは体験したことが無いぐらいです。
しかし、不思議な事にパイクは殆ど百発百中でフッキング!!

バレまくるバス君とは対照的に、パイクはほぼ確実にキャッチできるから、これがまた不思議。
しかも、ミノーバイブのリフト&フォールはパイク君も大好きみたいで、やたらパイクが食ってきます。(笑)

ちなみに、このパイク君は現在のパーソナルレコード。
とにかくミノーイーター化したプレデター達にとっては、ミノーバイブのリフト&フォールが有効という事だけは確実なようです。
そんな感じで、食ってはくるけどキャッチできないという大きなジレンマを抱えたミノーバイブ君。
その答えを見出す前に、昨年はシーズオフを迎え今に至ります。(涙)
余談になりますが、そう言えばデンプシーテールを開発していた時も同じようにフッキング率の悪さで苦しんだのを思い出します。
デンプシーテールの初回プロトの琵琶湖デビューの時とか、井上特攻隊長さんが琵琶湖で50バイトゼロキャッチとか、ある意味凄まじいスタートから始まり、フックアップ率の向上に1年ぐらい時間が掛かりました。
そんなデンプシーテールのフッキング率向上は、バスのバイトの強さをコントロールする事でフックアップ率を高めたんですよね。
フッキング率激悪の初期型デンプシー君も、今回のミノーバイブの3フック化と同じような考えで、当初は細軸フックを使ったり、スイベルを介してテールフックを装着したり(テールフックをプロップからなるべく離し、フリーな状態で装着)、ルアーそのもののフックアップ率を高める方向で模索していたのですが、やはり劇的なフックアップ率向上は望めませんでした。
そして、そんな試行錯誤を続ける中、気が付いたことは、バスはその捕食対象物を仕留められるだけの必要十分の力しか使わないのでは?という事。
要するに、死にそうなベイトは軽く咥えるだけで簡単に吸い込める(=弱いバイト)でしょうし、元気にバンバン泳ぎ回るベイトは、バス君も全力を使わないと仕留める事は出来ない(=強いバイト)と、そういう自然の摂理が働いているんじゃないかな?って感じた訳です。
で、50バイトゼロキャッチを食らったデンプシー君に出るバイトは、井上特攻隊長さんの話によると、後ろから静かに吸い込むようなバイトが殆どって話だったので、これはもしかして、バスが弱い力で十分仕留められる対象物って感じ取ってるのでは?って考えた訳です。
で、その考えの元、デンプシーの動きを若干強めの動きにリビルド&チューンしたら、これがドンピシャ!!
たったそれだけの違いで、今まで後ろから追尾してきて静かに吸い込んでいたバス君達のバイトが一変。
バイトの多くがボディー横咥えの反転バイトに見事に変わり、フッキング率が劇的に向上したという次第です。
と、話は脱線しまくっていますが(汗)、そうなんです。
ハードルアーのフッキング率って、実はルアー自体のフッキング性能向上やタックルセッティングも大事かもしれませんが、それ以上に大事なのは、どういう食い方をさせるかという事。
それは、ルアーのアクションセッティング等も含めて、釣り人がバスに対してどういうアプローチでルアーを追わせ、そして食わせるか。
ルアーフィッシングの面白さや奥深さはそんなところにもあるかと思うんですよね。
そして、話はミノーバイブに戻りますが、デンプシーテールの場合は巻物であり、そういう手法でフッキング率向上に成功しましたが、今回のミノーバイブはフォールで食わす釣りなので、この手法は多分使えません。
しかも、ミノーバイブの場合は更に致命的な欠点があって、フックアップ率の悪さの大きな原因はそのルアー構造にもあります。
昨年、集中的にテストしていたミノーバイブプロトは10センチなのですが、ハード素材であるが故に、バスがバイトしてきた時にルアーがソフトベイトのように折りたたまれず、口の中にルアーが吸い込まれていかないのが一番の原因に思います。
口の中に吸い込まれずとも、バスがバイトの瞬間に反転してくれればフックアップできる可能性はありますが、じっとしていられるとアタリ感知が遅れ、無重力バイトに気が付いてフックアップを入れた時には既にバスが違和感を感じてルアーを吐き出した後だったり、仮に掛かったとしても、口の両脇に薄掛かりで2点フッキングする事が多く、その状態でヘッドシェイクされると、テコの原理が働いて簡単に身切れしてバレちゃうという訳です。
凄いシンプルな理由ですが、10センチのルアーを横咥えして一飲みにできるバスって、間違いなくロクマルはあるでしょうし、オンタリオにはそんな巨大なバスはいません。(スモールマウスならロクマル居ると思いますが、口が小さいし。笑)
と言う訳で、未だ暗礁に乗り上げているミノーバイブの開発ですが、バスの口に入らないのが問題なのであれば、一口サイズにサイズダウンしたらどうだろう?って考えの元、新型プロトを製作中です。

この先、どういう事が起こるか自分にも予測できませんし、今の段階では何も書く事が出来ませんが、とりあえず完成している新型チビバイブ君は、自分思っていた以上にいい感じの動きをしてくれています。
その模様については、また何か進展がありましたら、続編としてご報告させて頂きますね。
フッキング率については、そんな感じで現在進行形ですが、次回はミノーバイブのジャーク&フォールでもう一つキーになっているのでは?って自分が感じている事について書かせて頂きますね。
それは、ソリッドバイブの可能性。。
この釣りに自分が見出しているソリッドバイブの可能性について書かせて頂きたいと思います。
つづく・・・・・