釣行記 『憧れのフィールドのBay of Quinteにウォールアイを釣りに行く』
2014年 01月 20日
何時かは釣りをしてみたいと願っていた、Bay of Quinte!!
このBay of Quinte(クイント湾)はオンタリオ湖の東の端の流れだし近くにある蛇のように曲がりくねった長大な湾(湾の全長は80km以上!)で、様々なゲームフィッシュの宝庫として、釣り人に非常に人気の高いエリアです。
自分が住んでいるのもオンタリオ湖のほとりですが、このBay of Quinteエリアは自分が住んでいるエリアの全く反対岸になるので、なかなか釣行が叶わなかったエリア。
そもそも、同じ湖なのに片道350km走らないといけないって、意味が分からんですよね。(五大湖デカすぎ。笑)
ってな訳で、そんな重い腰をなかなか上げられないでいた自分に、友人のクリスさんからメッセージが!!
今、デカいウォールアイのスクールが入って来てるから、早く来い!!
もうね!そんな話を聞いたら黙っちゃいられないのが釣りバカの性。(アホ)
しかも、ずっと掛かりきりだったFB2の製作もタイミングよく完了!
おっしゃ!明日行く!!
と、遂に夢のBay of Quinte釣行が実現したのでした。(笑)
前日までのハードワークで超寝不足&この釣行の翌日はトロントに行かなきゃならんのですが、しんどくなるのが分かってても、行ける時に行かないと釣りに行けないのがオヤジアングラーの常。
ってな訳で、全力で仕事を終わらせ、2時間半の睡眠後、セントキャサリンズを早朝2時半に出発!
しかし、あいにくの吹雪で高速道路のコンディションが悪く難儀します。
片道350キロ中の200キロはこんな感じ。(汗)
雪道はまぁいいとして、何が怖いって、こんなコンディションにも関わらず、巨大トレーラーがガンガン走っており、トレーラーが巻き上げるシオドロユキシャワーを浴びまくって、運転しにくいったらありゃしません。(怖)
もう、ウォールアイを釣る為にはエンヤコラです。
そんなこんなで、30分遅れで集合場所に辿りついたにも関わらず、暖かく迎えてくれるクリスさん。
クリスさんとはFacebookで知り合ったのですが、何を隠そうSCスメルトの記念すべきファーストフィッシュはクリスさんによるもの。(釣れた魚はウォールアイ)
それ以来、NLWルアーを非常に気に入って使ってくれている友人です。
ってな訳で、遂に釣り開始!!
まだ周囲が暗い中、ヘッドライトの明かりを頼りに氷に穴を掘るクリスさん。
クリスさんによると、夜明けから午前10時ぐらいまでの間にバイトが集中することが多いらしく、期待がどんどん膨らみます。
そして、いよいよクリスさんが設置してくれたポータブルハット(釣り用テント)で釣りを開始!!
釣り方はBay of Quinteのご当地釣法でもあるスプーンにライブミノーを装着したコンビネーションベイト。
ルアー名やライブミノーの掛け方等はクリスさんの財産なので、ここでは詳しい事は書きませんが、ただただ興味深いの一言でした。
いやぁ、ホント、勉強になる事だらけ&ルアービルダー根性を刺激されまくりです。(笑)
そして、クリスさんが開始早々、ナイスウォールアイをキャッチ!!
いやぁ、ホント流石としか言いようがないですが、クリスさんが見せてくれた釣法が凄すぎ。
フラッシャーを使ったサイトフィッシングなのですが、これがハンパなくエキサイティングなゲーム!
ちなみにフラッシャーをご存知の無い方にご説明させて頂くと、フラッシャーというのはこんな機械。
↓ ↓
通常の魚探みたいに画像として見せてくれない為、グラフの読み方を知らないと、全く意味の分からん機械ですが、その能力はホントおそるべし。
クリスさんによると、フラッシャーの何が良いって、水中を読み取るスピード&精度が魚探よりも優れており、魚探だと読み取った情報が画面に現れるのにコンマ数秒のタイムラグが生じるのに対し、フラッシャーはダイレクトにその瞬間瞬間の水中の情報を読み取れるので、ウォールアイのアイスフィッシングのように、魚の動きを掴みながら誘いを入れて食わせて行くというような釣りでは、フラッシャーのメリットが最大限に発揮できるとの事。
そして、実際に使わせてもらうと、最新のカラーフラッシャーはボトムマテリアルの硬さの違いとかがカラー魚探と同じように解るのはもちろんですが、ラインに結ばれている小さなスイベルや、水中を立ち昇ってくる1センチ径ぐらいの気泡とかまで拾える事にビックリ。
リアルタイム性能&情報の精度が高いので、ルアーが僅か5センチ程度アップダウンしただけでも、その動きを鮮明に拾う事が出来ます。
試しにライブミノーを1匹だけ装着した自分のスプーンにライブミノーをもう一匹追加して2匹掛けにしてみたのですが、1匹掛け状態と、2匹掛け状態とではフラッシャーに出る反応の強さが全く違い、ルアーのボリュームの違いがそのままフラッシャーの反応にも反映されていました。
それが何を意味するかというと、ルアーに接近してきた魚のサイズをかなり正確に推察できるという事に繋がります。
ちなみにフラッシャーが実際に稼働している映像はこんな感じ。
↓ ↓
この動画中では魚はストライクまで至りませんでしたが、超ビッグフィッシュがコンビネーションベイトに誘われてボトムから浮上してくる様子がフラッシャーのグラフに映っていますので、もし興味のある方がいらっしゃいましたらご覧になってみて下さい。
長い事、アイスフィッシング用の魚探をポータブル魚探にするかフラッシャータイプにするかで悩んでたのですが、今回実際にフラッシャーを体験させて頂いて迷いは無くなりました。
アイスフィッシングに使うなら、自分は迷わずフラッシャー!(笑)
にしても、素晴らしいのはクリスさん。
釣りの腕が素晴らしいのはもちろんですが、何よりも釣りに対する情熱がピュアで、話は全く尽きません。
クリスさんと色んな事を話したのですが、その中でも凄く印象深かったのは、
”カナダは本当に恵まれた国だと思う。でもこの国に住んでいる人達はそれがどれほど幸せな事であるか気が付いていない人が多いように思う。世界には戦争や災害で苦しんでいる人達が沢山居るのに、今自分はこうして釣りをしてられる。自分はそれを感謝して生きて行きたいし、本当に幸せだ。”
自分も本当にその通りだと思いますし、今までカナディアンの口からこういう話をあまり聞いたことが無かったので、とても感銘深いものがありました。
いやー、ホントいい友達が出来た!!(喜)
ってな訳で、色んな話をしながら釣りをしていると遂に自分にもチャンスがやってきました!!
自分が操るルアー&ライブミノーのコンビネーションベイトに、浮上してくる魚の反応・・・・フラッシャーの反応を見る限り、ビッグフィッシュであることは明らかです。
はやる気持ちを抑え、クリスさんがやっていた事を思い出しながら、魚を誘い上げて行きます。
コイツが浮いてきたら食うかも!クリスさんもフラッシャーの反応を固唾を飲んで見守ってくれています。
ルアーを徐々に上に浮かせていくと、魚もそれに呼応するように浮いて来ます。
もう、この時点で心臓のドキドキは最高潮!
そして、ルアーの反応と魚の反応の距離がどんどん縮まり、フラッシャー上の二つの反応が一点に重なった瞬間、ロッドにコツンとアタリ!!!
うぉーーーーーーー!!キターーーーー!!!
思いっきりアワセを入れると、物凄い重量感です。
使っているラインはPE20ポンドなのでラインに関しては心配はありませんが、なんせロッドが2ft半ぐらいのアイスフィッシングロッドな事もあって、ロッドの曲り方がハンパありません。
そして、氷の下に浮いてきた魚は、メチャクチャデカいウォールアイ!!
”10ポンドオーバーだ!ヒロシ!!こんなサイズはウォールアイ専門で狙っている人でも一生釣れない人もいるんだぜ!!”
クリスさんも大興奮状態!!
なんか知らんが、エライ事が起こっているみたいです。(汗)
そして、ランディングに成功!!
ビッグフィッシュが来た時に備えて、アイスホールは8インチ系の大口径なのですが、もう殆ど穴につっかえそうなぐらい腹はパンパン。
やりましたー!!!見てやって下さい、この嬉しそうな顔!(喜)
もうね、釣り上げた瞬間、クリスさんと二人して周囲1キロ四方に響き渡るぐらいの声で叫びまくり!
そして握手する手はウォールアイのヌルでヌルヌルですが、それもまたサイコーに嬉しい!
もうね、この魚を釣らせてくれたクリスさんとオンタリオの自然にただただ感謝です。(感涙)
そして、その数時間後、全く同じパターンでもう一匹6ポンドぐらいのウォールアイが釣れるという幸運に恵まれました。
ウォールアイさん、こんにちは。(笑)
ちょうどこの時、クリスさんが子供達を迎えに行ってていなかったので、ウォールアイを自分撮り。(笑)
アイスフィッシングサイコーーーーーすぎです!!!
ハイシーズンの釣りも最高だけど、厳寒期のアイスフィッシングも負けず劣らず最高。
静まり返った氷上で美しき夕焼けを眺めていると、時折氷の下からボワンボワンと不思議な音が響き渡ってきます。
上手く表現できませんが、風呂桶の中で、空気を溜めた洗面器をひっくり返した時に出るような空気が弾けるような音・・・。
不思議になってクリスさんにその音の正体を尋ねたら、
”氷の下を流れるカレントの方向が変わった時に出る音で、その音が聞こえてきた時にウォールアイの群れが入ってくる事が多いので、ここいらへんではウォールアイドラムって呼ばれている音なんだよ”
って、教えてくれました。
静寂の中、氷の下から聞こえてくるウォールアイドラムの調べ。
たぶん、一生忘れる事は出来ないだろうなぁ~。
素晴らしい土地との出会い。
そして素晴らしい釣り人との出会い。
例え魚が釣れなかったとしても十分に幸せだったと思うし、クリスさんじゃないですけど、釣りを出来る事がどれほど幸せな事かと思います。
往復700キロは決して気楽に行ける距離ではないけど、また絶対行っちゃうだろうなぁ。
クリスさん、そしてこの日素晴らしい時間を過ごさせてくれたオンタリオの自然に感謝!
Thank you for everything Chris!!
■ クリスさんのHP→http://fishfanatic.ca/