未来の釣り場へ 【電気ショッカーに疑問】
2015年 01月 08日
この場を借りて、シェアして下さいました皆様、貴重なご意見をコメントして下さいました皆様、いいね!を押して下さいました皆様に心よりお礼申し上げます。
エントリーから時間が経過してしまってFacebook上では見づらくなってしまったので、当ブログでもご紹介させて頂きますね。
以下が、Facebookにポストさせて頂いた内容です。
現在、琵琶湖で行われている電気ショックによる外来魚の駆除。
気になって、このクリスマス中、電気ショック漁法(英語ではelectrofishing)について色々リサーチ&勉強をしていたのですが、調べれば調べるほど、色々な危険性を持ち合わせている事が理解できてきました。
一般的には魚を気絶させるだけで、魚にダメージを与える事は無いと言われている電気ショック漁法ですが、実はそんな事は無く、魚に色々なダメージを与える危険性があるみたい。(英語文献が色々見つかりました)
エレクトロフィッシングに関する英語文献で一番多く報告されているのは、電気ショックを受けた結果、脊椎の損傷が起こる可能性がある事。
感電して筋肉が激しく痙攣した結果、脊椎に損傷を受けるケースが多いそうです。(脊椎が折れたり、ずれたり)
そして、オソロシイのは、脊椎にダメージを受けていたとしても、表面上の見た目では分からなくて、レントゲンを掛けてみないとわからないとの事。
特にサケマス類はダメージが大きいらしく、アメリカからのレポートでは、最悪の事例の場合、電気ショックで捕えたレインボウトラウトの50%以上が、脊椎に何らかのダメージを受けていたと報告されています。
その後の300日以上にも及ぶ長期経過観察においても、背骨に損傷を受けたトラウトは、ダメージを受けていないトラウトと比べて、成長率やコンディションが著しく悪かったとか。
また脊椎への影響の他には、エラや内部組織の出血、孵化前の卵においても電気ショックは胚に悪影響を及ぼすとの報告がありました。
写真は、エレクトロフィッシングでダメージを受けたレインボウトラウトのレントゲン写真。
多くの国や地域で、電気ショック漁法は調査目的以外では禁止されていると思いますが、駆除目的とはいえ、こんなムチャクチャな方法が行われている事に大いに疑問を抱きます。(駆除対象以外の水中生物に無影響とは思えない)
引き続き自分なりに勉強を継続したいと思います。
と、以上のポストをさせて頂きました。
自分が参考にした英語文献等につきましては、Angler's Eye様が参考リンク集としてまとめて下さいましたのでご参照下さい。
■ リンク集 http://www.anglerseye.jp/links
特に、このリンク集の中で、Angler's Eye様が見つけて下さった、『水産工学』28巻2号(1992年3月) p.121-126 掲載論文、山森邦夫「電気ショックに対する魚類の反応」という論文(PDFファイル)は、電気ショックが魚に与える影響について非常に分かりやすく報告されておりますので、是非ご一読頂ければと願っております。(自分が読んだ英語文献も、ほぼ同様の報告でした)
電気ショッカーによる外来種駆除について賛否両論はあると思いますが、自分自身は外来種の駆除推進派、反対派の垣根を超えて、今一度考えてみるべき事なのではないか?と感じております。
何よりも、電気ショッカーは環境への負荷は少ないという言葉をそのまま鵜呑みにして、何も調べる事すらせずここまで来てしまった自分自身を反省するばかりです。
現在、環境省が外来種に関係するパブリックコメントを募集中(期日は1月11日まで)ですので、熟考して自分なりの意見を提出させて頂こうと考えています。
何も発言しないのはそこに存在しないのと同じ事ですしね。
パブリックコメントにつきましては、Angler's Eye様がツイッターで情報発信をして下さっている他、現在発売されているバサー誌に分かりやすい記事が掲載されているとの事ですので、是非ご参照ください。
■ Angler's Eye様ツイッター https://twitter.com/anglerseye