Voice From The Water ― M7復活へ
2015年 11月 18日

ここまでの道のり、本当に長かった~~。(感無量)
沢山の方々から復活のリクエストを頂いておりますビーツァシリーズですが、復活作業に大変時間が掛かってしまい、本当に申し訳ありませんでした。
そして、NLWルアーを販売して下さっている取扱店様、および問屋様に、多大なるご迷惑をお掛けしております事を深くお詫び致します。
ビーツァを復活させると決めてから、ここまで数年。
まさかここまで時間が掛かるとは自分も想像していなかったのですが、なかなか険しい道のりでした。
メインの仕事のルアーの製作作業が終わった後、夜なべしてビーツァ用モールドの作り直しを少しずつ進めていたのですが、昨年、急激に円安が進行して以来、大幅に利益が縮小し、雪だるま式にマイナスが増え続け、遂に今年の春には、これ以上の製作続行は不可能に近いというところまで追い込まれました。
大変お恥ずかしい話ですが、スイベルが買えなくて、ブレード付きのルアーは作れないとか、毎月がそんな感じの綱渡り状態で、工房に残っている材料を掻き集めてルアーの製造をギリギリで継続させる日々。
ルアーの品質だけは絶対に落としたくなかったので、最後のコストカットで断行したのはフック無し&簡易パッケージ販売への移行。
それは製作を継続させるための苦肉の策でした。
はたしてフック無しでのルアー販売を受け入れて頂けるか不安はあったのですが、”針は自分でつけるからいいですよ~”と温かいお言葉を掛けて下さるユーザーさんも多く、本当に感謝の言葉も見つからない状態です。(本当にありがとうございます)
そんな状況もあり、モールド製作用のシリコンラバーが尽きた後はビーツァの復活作業も休止せざるを得ず、ここまで時間が掛かってしまった次第です。
今年の前半は、そんな感じでとにかくサバイバルして行く事、そして家族を飢え死にさせない事が、最優先事項。
釣りを諦め、シリコンが無いので新型ルアーの開発も諦め、時間が許す限りひたすら工房にこもって作り続ける毎日でした。
正直、釣りを諦めるのは拷問に近いものがあり、凹み、気が狂いそうになったりもしましたが、そんな中、ユーザーさんが送って下さる釣果報告や、SNSに皆さんがアップして下さる釣果写真を拝見させて頂き、随分元気を頂きました。(感謝)
また、所有しているルアーをいじくってチューニングしたり、湖沼図を見ながらフィールドに想いを馳せて癒されたり。(^o^)v
カナダでは簡単に入手できない材料、日本への国際便送料や関税や通関手数料、為替レートのリスク。
そして、この土地が、自分が生まれた国ではない異国の地であるという事。
NLWを立ち上げた時、カナダでルアーを製作していく事の大変さや困難さは覚悟していたものの、この1年半は自分の能力の無さや弱さをとことん思い知った毎日でした。
そんなラフウォーターライドな日々は今も続いてますが、そんな中でも諦めずに今も作り続けられているのは、本当に皆様のお陰です。
ユーザーの皆さん、取扱店様、問屋様、NLWのプロスタッフさん&フィールドテスターさん、友人、家族・・・・・全ての方々に感謝です。
そして、先日、ようやくシリコンラバーを買うことができ、モールド製作を復活させられた事は、自分にとって前に進む希望になりました。
たったの$700ドルぽっちの材料で何でそこまで?って笑われてしまうかもしれませんが、僕にとっては大きな前進です。
このシリコンラバーにしても、アメリカに出張に行く友人に無理にお願いして、アメリカから持って帰って来てもらったもの。
本当に沢山の方々に助けられ、今の自分があります。
そんな自分に出来る事は、全力でルアーを作り続ける事のみです。
モールドの原料となるシリコンラバーが尽き、復活作業を休止せざるを得なかったのは前述の通りですが、ラバーが尽きる前に完成していた何セットかの新モールドで少しずつフレーム成型を続けていたら、ふと気が付けば、これだけの数になっていました。

どんなに苦しい時でも、その時に出来る事を精一杯頑張っていれば、何時かは報われる時が来る。
このフレーム達に勇気づけられた気がします。
M7の復活にはもう少し時間が掛かりますが、あと一息のところまで来ていますので、もうしばしお待ち頂ければ幸いです。
取扱店様、問屋様の皆様へは、もう少し製作が進んだ時点でご案内させて頂きたいと思いますので、その節は何卒宜しくお願い致します。