Voice From The Water - バスを保護する国
2016年 06月 23日
来るべき解禁日釣行に備えて、必死こいて仕事に取り組んでいるアホビルダーです。(笑)
ここオンタリオでは、1年間の内、7カ月近くがバス(ラージマウス&スモールマウス)は禁漁!と、非常に手厚く保護されており、解禁日は待ちに待った日。
解禁日以前はアメリカの水域まで行けばバス釣りは可能なのですが、やはり国境を超えて行くという煩わしさがあるので、地元のカナディアンウォーターで釣りが出来るのは本当に嬉しい事です。
で、このバスの解禁日ですが、何を根拠に決められているかと言うと、その最大の目的はスポーニングの保護。
この辺りのエリアでは、スモールマウスは6月の頭ぐらい、ラージマウスはそれより少し遅れてと言った感じでスポーニングする個体が多いので、多くのバス達は解禁前に産卵を終えている事になります。
そんな事もあり、解禁直後はスポーニングのダメージを引きずっている魚も多く、難しいコンディションの時も多いですし、そもそもビッグバスを狙えるプリスポーン期が釣り不可と、釣り人的には辛いものがありますが、それを差し引いても、やはりスポーニングが保護されている事は素晴らしいことですね。
解禁後、そこらじゅうで目にするワンサカと泳ぎ回っているバスの稚魚達の群れ・・・・もう、バスフィッシングを愛する者として、これ以上素晴らしい光景はありません。
ちなみにオンタリオでは、サンフィッシュ(ブルーギルやパンプキンシードフィッシュ)やイエローパーチなど、膨大な生息数の魚以外は、原則スポーニング期は禁漁となっています。
このチャートはオンタリオ湖&ロワーナイアガラリバーのレギュレーション。
バス以外の魚も細かく禁漁期や解禁時のキープ可能個体数が細かく決められています。
ちなみに、バスの解禁期間は6月の第3週の土曜日~12月15日。
これはエリー湖&アッパーナイアガラリバーのレギュレーション。
バスの解禁日は6月の第4週の土曜日~11月いっぱい。
そして、これはサザンオンタリオ内陸部のレギュレーション。
このエリアもバスの解禁日は6月の第4週~11月いっぱいと決められています。
これら上記の内容はそのエリアごとに定められている基本的なレギュレーションで、更にそれぞれの湖や川に完全禁漁区域があったりとか、エサ釣り禁止区域とか、シングルフック規制とか色々細かく定められているので、釣行時のレギュレーション確認は必須。
レギュレーション違反を犯した場合、罰金、釣り具没収などの罰則があったり、悪質なケースの場合は逮捕されたり、ボートを没収されたりする可能性もありますので注意が必要です。
もちろん、釣りをしていたら意図せず禁漁中の魚が釣れてしまう場合もありますが(パイクを狙ってたらバスが釣れたりとか)、その場合は即座にリリースすればOKと言う事になっています。
資源調査、レギュレーションブックの配布(無料)、放流事業等々、釣り人達が購入するフィッシングライセンス代はそれらの費用に充てられていますので、釣りはタダで出来るモノという意識は無いです。(子供と老人はFライセンスは不要)
現在は沢山の魚が泳ぎ回っている五大湖ですが、アメリカで工業化が一気に進んだ1960年代以降、徹底的に環境破壊され尽くされたという経緯があり、沈殿した汚染物質などの影響で、食べても大丈夫な魚種や匹数などのガイドラインがあったりとか、未だに環境汚染が尾を引いています。
が、それでもなお、再生してきた自然は、とても尊いものだと思うのです。
そんな破壊的な状況から復活してきた自然の再生能力の凄さ、そして人間達の努力に敬意を払わずにいられません。
ちなみに、国境を挟んだNY州もオンタリオと似たようなルールで、バス釣りは年中オープンしていますが、12月1日~6月の第3週の金曜日の間はキャッチ&リリースオンリー。
本日よりNY州のカユーガレイクでバスマスターエリートシリーズが開催されていますが、NY州で開催されるトーナメントが今時期以降になるのは、それが理由です。
これはNY州のレギュレーション。
NY州もオンタリオと同じく、それぞれの魚種ごとに細かくレギュレーションが決められています。
ちなみにこの写真はNY州がアッパーナイアガラリバーに建設中の人工島。
ナイアガラリバーの強い流れを遮り、魚達が淀みの中で産卵できる島を建設中との事。
五大湖のようなとてつもない水域であったとしても、地道な努力があって、今のこの素晴らしい環境があるのだと思います。
いよいよ明後日が解禁のエリー湖&アッパーナイアガラリバーのカナディアンウォーター。
今年はどんな素晴らしい出会いが待っているのでしょうか?
ワクワクが止まりません!