フックの話 【フックを壊していく五大湖の魚達が教えてくれたこと】
2017年 03月 02日
■ その1 http://beatour.exblog.jp/23857569/
■ その2 http://beatour.exblog.jp/23863646/
今回の話は卓上の実験ではなく、実際の釣りで感じた事を書いてみますね。(^o^)v
僕が五大湖で釣りをし始めたのは5年前の事になるのですが、その際に強く感じた事がありました。
それはフックが良く壊れるという事。
とにかく五大湖の魚達はフックを壊して行きやがります。(笑)
フックが壊れるパターンは色々あるのですが、一番多いのはフックを外す時にペンチでフックを壊してしまうパターン。
何せ、バス以外にも、マスキーだの、レイクトラウトだの、ブラウントラウトだの、スティールヘッドだの、パイクだの、ウォールアイだの、キングサーモンだの、キャットフィッシュだの、ドラムだの、パワフル&デカい魚が釣れる事が多く、フック破損は日常茶飯事です。
マスキーやトラウトなど、デカい魚をキャッチしたら船の中は修羅場となりますし、秋のメチャクチャ元気なスモールマウスがジャークベイトに食ってきた時なんか、ハンドランディングは危険すぎるのでネットは必須で、これまたフック外しが修羅場になります。(汗)
もうそうなると、フックの事なんかかまってる場合じゃなく、とにかくペンチでフックを掴んで”えいやぁー!!”と一気に外す事になります。
で、そんなムチャした結果壊れると。
これはもうどうしようもないというか、たぶんソルトウォーター用の強靭な極太フックでもない限り、避けては通れない道ではないかと思われます。
それでは、純然たる魚とのガチファイトで伸ばされるパターンは?というと、この魚をキャッチした時ばっかは流石にヤバすぎでした。(汗)
2015年9月にキャッチした120センチオーバーのマスキー。

15分にも渡るファイトでフックはこんな事に・・・。

プロトジャークベイトに装着されているフックは前2本がオーナーのST36の#4、そしてテールがST36の#6番なのですが、全てのフックが見事に伸ばされています。
この時のタックルはノースフォークコンポジットのJPR65MLというミディアムライトジャーキングロッド+ジャッカルのレッドスプール16ポンドというスモールマウス仕様のタックル。
スモールマウスを狙ってたら、いきなり丸太ん棒のような巨大マスキーがジャークベイトに浮いてきて、後先考えずに食わせてしまった巨大魚。(^ ^;)

何もかもが規格外の魚であり、ロッドも、ラインも、フックも全てが限界ギリギリの状態で何とかキャッチできた1本でした。
じゃあ、それ以外の魚は?というと、カバーがほとんどないオープンウォーターの釣りが多い&魚のパワーを吸収してくれるロッド&ドラグを多用する自分のファイトスタイルが関係していると思うのですが、このビッグマスキー以外に完全なる力負けでフックを壊された事はほぼほぼ無いです。(忘れているだけかもしれんけど。笑)
あくまで自分の経験の範囲内&フィールド限定の話ですが、例えばSCスメルトやメタルジグなど、トレブルフック1本装着のルアーの場合、ファイトでフックを伸ばされた事は一度もありません。




これらの魚は明らかにスモールマウスより強いツッコミを見せる魚達ですが、ST36の#4番は全く無問題。
流石に魚にパワーがあるので、取り込むまでに時間が掛かる事もありますが、自分の記憶にある限り、フックを伸ばされた事は一度もありません。
が、それ以外のケースで、フック伸びが多発して、頭を抱えるケースがあるんです。
そのケースとはジャークベイトやオチアユWP!!!
何故かジャークベイトやオチアユWPなどフックが沢山付いているルアーにスモールマウスがヒットした時はファイト中に伸ばされる事が多いような気がします。
SCスメルトやメタルジグなど、トレブルフック1本のルアーでは全く伸ばされることが無いのに、同じフックを装着しているジャークベイトやオチアユWPのフックはまるで壊れた傘の骨のように簡単に伸ばされてしまう事が多く、それが不思議で不思議でしょうがない!!
もうね、これはどんな魔法だ?レベルです。(笑)
んで、その原因を色々考えてみたところ、おそらくですが、それはスモールマウスの強靭な筋力が関係しているのではないかとの考えに至りました。
この場合の意味は、あくまで遊泳力ではなく筋力です。
強い筋力を持ち、優れた遊泳力を持つスモールマウスですが、上の写真の魚達と同じく、SCスメルトやメタルジグでキャッチしたスモールマウスは5ポンドクラスの魚であっても、フックを伸ばされたことは一度もありません。

この写真のスモールマウス君に至っては、何故かヒレの付け根にスレ掛かりしてしまい、自分がキャッチしてきたスモールマウスの中ではぶっちぎりに強烈なファイトを見せてくれた魚なのですが、フックは無問題でした。(ルアーはSCスメルト11g)
なら、何故ジャークベイトやオチアユWPのフックは簡単に伸ばされてしまうのか??
おそらくですが、それはスモールマウスがファイト中に見せるジャンプが大きなきっかけになっているような気がします。
順を追って書いていくとこんな感じです。
1.スモールマウスがヒットする
2.スモールマウスがルアーを咥えたまま大ジャンプをする
3.スモールマウスが空中で体をくねらせた瞬間、ジャークベイトやオチアユWPのフックが2点もしくは3点掛かりする。(もしくは2点掛かり、3点掛かりした状態でジャンプする)
4.空中で羽ばたくスモールマウスの激しい運動にフックが耐え切れず伸ばされる。
あくまで自分の経験の範囲内の話ですが、もしかしてこういう事が起こっているのではないかと・・・。
エリー湖のスモールマウスの場合、何故だか知りませんがフッキングした後にジャンプしまくる個体が多く、もうそれはロッドワークとかで制御できるレベルでない場合が多いんです。
水中を泳いでいる限りは、水圧がありますから流石のスモールマウスと言えどもそんなに簡単にフックを壊す事は出来ないと思いますが、ジャンプして空中に出た時がヤバい!!
空中に飛び出て水圧の呪縛から解放されたスモールマウスは、まるで大リーグボール養成ギブスを外した時の星飛雄馬の如く、とんでもない羽ばたきを見せてくれます。(笑)
デカいスモールマウスを掛けてジャンプされまくられた経験のある方なら、”それ分かる!!”と頷いてもらえるんじゃないかと思うのですが、スモールマウスってジャンプした時に鳥みたいな羽ばたき音が聞こえるんですよね~。
もうね、お前さんは鳥か!?と表彰状をあげたくなるレベル。(笑)
エリー湖の場合、特に夏以降の魚に多いパターンなのですが、あまりにもジャンプが激しすぎて、自らのパワーに体が耐え切れず、キャッチした時にはエラブタの付け根あたりから血を流しているスモールマウスもいたりします。
そんな感じでスモールマウスが空中に飛び出た時に発揮されるマックスパワーはフックを簡単に伸ばしてしまう破壊力があるんではないかと考えています。
フックが1本だけなら魚との接点が1か所になりますので、スモールマウスがどんなに羽ばたこうが関係ないですが(ルアーが弾き飛ばされる事はあると思いますが)、フックが多点掛かりした状態だと、スモールマウスは体のくねらせパワーでフックを伸ばしてしまえるんじゃないかと想像しています。
僕の経験上、45センチ以上のスモールマウスにジャークベイトやオチアユWPを背負ってジャンプしまくられると、トレブルフック伸ばされ事件が起こる事が多いような気がします。
そして、そんな体験を繰り返した結果、フック強度が気になって仕方がないヒロシくんが出来上がってしまったという訳です。(笑)
純粋な引っ張りっこなら、タックルバランスやファイトの仕方でコントロールすることが出来ますが、自分が制御できない状態でジャンプされまくったりする場合は、最終的にはフックのポテンシャルに頼るところが大きくなると思うんですよね。
そして、それらの強度テストを重ねているうちに、実はジャークベイトの場合、強度以外にも、フック形状の違いによってアクションに違いが出る事に気が付いてしまい、フックテストは更にディープな世界に引きずりこまれて行ったのでありました。(笑)
つづく・・・