チッパワトーク#2 【内蔵ウェイト】
2020年 05月 23日
チッパワシリーズは各モデルに専用ウェイトを搭載しています。

左 : チッパワRB
中央 : チッパワRBブレード&DDブレード
右 : チッパワRBスローフロート
成型ウェイトを使うことのメリットですが、極限まで低重心化を図れることが一番大きなメリットとなります。
低重心設定にする事によって得られる特性ですが、
より機敏なアクションレスポンスに繋がったり、クランクが障害物などにコンタクト後に瞬時にバランスを立て直すなど、アクション面に好作用をもたらしてくれる事が多いです。
チッパワではこれらの専用ウェイトをウェイトルームではなく、ウェイトステーで固定し、極限までプラスチックパーツの軽量化を図っています。

プラスチックパーツからぜい肉をそぎ落としていくことによって、パーツの軽量化だけではなく、ボディー容積が増え、より多くの空気をボディー内に抱えられるようになります。
そしてその事によって浮力が増強され、より重たい内蔵ウェイトを搭載することが可能になります。
テストでの検証の話をさせて頂くと、
1. 重たいプラスチックパーツ + 軽い内蔵ウェイトのプロト
2. 軽いプラスチックパーツ + 重い内蔵ウェイトのプロト
以上の2タイプのプロトを比較した場合、同じ形状&完成重量のプロトであっても、2のプロトの方が明らかにアクションのキレも良く、使用感も良いものとなりました。
チッパワにおいて、このボディー構造のシンプル化 + 成型ウェイトによる低重心化は非常に大きなキーになっており、使用感に大きな影響を与えています。
これらにメリットに対してデメリットですが、製造コストアップ、そして製造の難易度が上がる事の2点がデメリットになります。
チッパワをリリースした2年前、初期問題が発生し、皆様に大変ご迷惑をお掛けしましたが、その時に直面したのが精度の高い壁でした。(参照記事)
原因を究明して分かった事は、紙一枚分ぐらいのクリアランスの違いでウェイトがコトコト動いたり、固定されたりするという事。
これらの話は、次回のチッパワトークで予定しているプラスチックパーツの溶着技術にも密接に関わってくる部分なのですが、キッチリと狙い通りのセッティングで製造する為には、組み立て時に0.1mm単位での調節が必要不可欠で、高い製造技術が必要になってきます。
これらのデメリットはありますが、ルアーのパフォーマンス重視で、工場の方々に頑張ってもらって製造して頂いています。
チッパワトーク#2 End