チッパワトーク第4話です。
今回は耐久性についてお話したいと思います。
中空プラスチックルアーの最大の敵は【熱】。
気が付いたらタックルボックスのルアー達が風船のように膨らみ、背中とお腹がぱっくり割れているというような悲しい体験をされた方も結構いらっしゃるんじゃないかと思います。
という訳で、今回の記事では、NLWルアーに熱を掛けたらどういう事になるかという事をお話させて頂きますね。
テストではわかりやすいように、プロパントーチでチッパワをあぶってみました。
作り手としては、極めて心が痛むテストですが、これも必要なテスト。心を鬼にしてあぶっていきます💦
焼けこげちゃったチッパワ君。ごめんよ~💦
ボディーを上側から見ると、こんな感じでお腹がぽってりと膨らみ、ファットチッパワが出来上がっています。
ノーマルチッパワと比較してみると、その膨らみ具合は一目瞭然です。
中空プラスチック構造である限り、熱による変形は避けられませんが、注目してご覧頂きたいのが、背中の溶着部の状態。
ここまでボディーが膨らんでしまった場合、背中とお腹に大きな割れ目が入ってしまいそうなものですが、チッパワの場合は薄く線は入っていますが、ほぼ元の溶着状態を保っています。
それにプラスして左右対称に綺麗に膨らんでいるのをご確認頂けるかと思います。
これが、前回のお話で書かせて頂いたNLWルアーがソニックウェルディング製法に拘っている理由です。
耐熱性能の向上は耐久性アップの最重要項目なのですが、NLWルアー達はハイグレードなプラスチックを使う事と、ソニックウェルディングで強固なパーツ接合を行う事で耐熱性能の向上に努めています。
こういう部分って実に地味なので全く人目を惹きませんがw、手抜きをすることなく取り組む事で、より長くご使用頂けるルアーになると信じています。
作り手としてはこうならない事を願うばかりですが、最悪こうなってしまった場合も、NLWルアーはまだ使用可能だったりするぐらい作りこんでいるという事は自信をもってお伝えしておきますね。
最後になりましたが、これからドンドン気温が上がって中空プラスチックルアーにとって過酷なシーズンになりますので、どうぞお気をつけください。
NLWルアーの場合、概ね70度ぐらいに達すると危険ゾーンに突入します。
この70度という温度ですが、外気温30度で炎天下の車を締め切った場合、約2時間でダッシュボートの上が70度を超え始めます。
また同じく外気温30度で、炎天下のボートデッキの上などにクリアールアーボックスを放置すると、わずか5分ぐらいでボックス内の温度が70度を超える事もありますので、どうぞお気を付けください。
ほんの少しの気遣いでルアーの寿命を大幅に伸ばして頂く事が出来ますので、下記動画をぜひ参考にして頂ければ幸いです。
チッパワトーク#4 End