今、僕達に何が出来るんだろう?
2008年 08月 25日
これを見て凹まない釣り人ってあんまり居ないと思います。
でも、その原因の多くを作っているのは『釣り人自身』である事が多いと思います。
今日の話はそんな話です。
とても重たい話です。
しかも字ばっかになると思うし・・・・・。
でも、もし出来たら、今日の話だけは最後まで読んで頂ければと願っています。
話を始める前に、BC州のバスフィッシング事情について少しだけ書かせて頂きたいと思います。
このブログでも何度か書いた事がありますが、バンクーバーのバス釣りって非常に厳しい状況にあります。
短い夏、低水温の湖、厳しい生息環境、限られた生息域・・・・・・。
アメリカと国境を接している事から、カナダもバス釣り天国って思われている方も多いようなのですが、五大湖を控えるカナダ東部のオンタリオ州とかならまだしも、BC州はやはりサーモン&トラウトカントリー。バンクーバーからたった数十キロ南の国境線を境にして、バス釣りに関しては天国と地獄ぐらいの差があるのが実情です。
BC州のバスフィッシング事情に関してはまた機会があれば書かせて頂きたいと思いますが、実はスモールマウスもラージマウスも移入された魚でネイティブフィッシュではないんです。
そして、特にラージマウスバスを取り巻く環境は、日本のラージマウス以上に危うい状態にあるかもしれません。
と言いますのも、BC州政府が数十年前に移入したスモールマウスバスに関しては、スポーニング時期のキャッチ・アンド・リリース等のルールが定められ一応保護されているのですが、流入経路が不明のラージマウスバスに対してはBC州の風当たりは非常に厳しいと言わざるを得ないんです。
バスはもちろん全ての外来種の移植はレギュレーションで禁止されており、違法放流には罰金10万ドル(約1000万円)、もしくは1年の服役。
深刻なケースの場合は罰金50万ドル(約5000万円)、もしくは2年の服役となっています。
BC州自体も、釣穫による生息数コントロールを期待しているらしく、ラージマウスに関しては凄く警戒心を高めてまして、1日の持ち帰りリミットを25匹と設定し、釣ったらどんどん持ち帰って食べるように奨励しています。
数少ないコアなバスファンはもちろんリリースしていますが、食べる事を目的とした一般釣り人の中には持って帰る人も少なくないようです。
正直な話ですが、多くの問題を抱える日本のバスフィッシング環境ですら羨ましく感じる事もあるほどです。(皆さんの釣り場を大切にして下さいね!!)
ちなみに、神奈川県ぐらいの面積があるバンクーバー全域で、現在ラージマウスバスが確認されているのは約40箇所ぐらい。
僕が実際に釣りに行って調べた限りでは、その中で、バス釣り場として成立するのは6箇所ぐらい。
そして、その中で40センチオーバーのラージマウスが釣れる可能性があるフィールドは僅か3箇所だけと言えば、その条件の厳しさがご理解頂けるかと思います。
僕がここ3年ほどずっとルアーテストを行ってきたS湖という湖はそんな数少ない3箇所の内の一つで、プライベートレイクという特殊環境という事もあって、諸々の厳しい条件から奇跡的に免れていたのですが、以前のブログにも書いた通り、現在、釣り禁止の危機を迎えています。
そして、その原因の根幹は、やはりその湖を利用する人の意識にあると思うんです。
その一つがゴミ問題。
拾っても拾っても、無くならないゴミ・・・・・・・・それはもちろん釣り人だけのゴミではないのですが、平気でゴミをポンポン捨てて行く人たちの感性に、腹立たしさを通り越して、悲しさすら覚えてしまいます。
なんでゴミを捨てるの?って。
前置きがすっかり長くなってしまいました。
僕が今日お話したかったのは、ここから先にご紹介する兵庫のKさんから頂いたメールのお話。
Kさんは毎週のように兵庫の野池群に通われる凄腕アングラーさんなのですが、先日、非常に危機的な状況を伝えるメールを頂き、ぜひ当ブログでもご紹介させて頂きたいとの思いに至り、Kさんのご許可を頂いて掲載させて頂く事にしました。
ちなみにKさんは100箇所近くにも及ぶホームグラウンドで何時もゴミ拾いを励行されているそうです。
以下はKさんより頂いたメールです。
西根さん
17日の東播ガイドは無事終わりました~。
男女3人ずつでバス釣りが初めての女性を2人を含めた6人釣行でしたが、ボウズを一人も出すことなく、5箇所の野池で合計35匹の結果となりました。
この日の活躍ルアーはM5でスローボトムノックでした~!
ちなみに琵琶湖のベテランさんは9匹でした。
6人が竿を出せる足場の良い野池という制限があったんですが、全員に楽しんでもらえる結果に終わりホッとしました。
初心者のお二人は近々マイタックルを揃えたいと意気込んでおります。
またバサーが二人増えました~!
ただ、一つまた悲しい事がありまして…。
この日、いつも行く野池の様子だけ見に行ったのですが、
『釣り人の皆さん、ゴミだけは各自持って帰ってください。お願いします。』
と今までなかった看板が立てられていたんです。
山に囲まれた静かなこの地域はたくさんの野池が密集しているんですが、その野池以外は完全釣禁で、地域住民(農家)の方のご厚意というか仏心でその野池のみ解放してくださっているんです。
それなのに、私の知る無数の野池の中でこの池がゴミの量が一番多いんです。
しかも、地域の方が月一度くらいこの野池の大量のゴミをきれいに清掃してくれて、最近では大きなゴミ袋まで設置してくれてたんです。
地域の方々が清掃してくれてるのを知った時はここにゴミを捨てるバサーへの怒りの気持ちは完全に通り越して、情けない気持ちになったのを覚えてます。
で、今回の看板設置です。
地域の方の堪忍袋の緒が切れかかっているのがわかります。
悲しいですね。
釣りができる野池が一つなくなる事が悲しいんじゃなくて、地域の方々の優しさを踏みにじった事が悲しいです。
この野池は釣禁になって構わないと思います。
きっとそうなるでしょう。
ただ、最後に掃除だけをしに行きたいと思います。
僕が言う立場でもなんでもないんですが、バス業界をマーケットでとらえた時に、たくさんの女性やお子さんに魚と触れる楽しさを業界一丸となってもっともっと啓蒙していくべきですよね。
そしてゴミ回収などのマナーを最初から当たり前のように後ろ姿で見せてあげるとバサーのマナーでの底上げができると思うんです。
現バサーにゴミ回収などのマナーを説く事はすごく大切ですし、やり続けなければいけません。
しかし限界があるのも事実です。
いずれの方法も時間がかかる事ですが、バス釣りに関わる全ての人の義務ですよね。
以上が、Kさんより頂いたメールです。
皆さんはどう思われますか?
『釣り人の皆さん、ゴミだけは各自持って帰ってください。お願いします。』の看板。
僕自身の感想ですが、正直な話、顔から火が出るほど恥ずかしいです。
ここから先は僕の話をします。
僕がルアーテストに通っていたS湖。
この湖での釣りを自主規制してから、今年の僕は本当に情けないぐらい釣れていません。
それどころか、釣り場を求めて大迷走しているとしか言いようがありません。
最近なんて、魚釣りに行ってんだか、ゴミ拾いに行ってんだか良くわからない状態。(爆)
でも、そんな中で良く分かった事があります。
やっぱり自分はバス釣りが大好きなんだって事。
正直な話、ビジネスの面から考えると、釣れない話なんてブログでするべきことではないのかもしれません。
それはゴミの話にしてもしかり。
もし魚が釣れなければ、Nishine Lure Works自体が立ち行かなくなってしまうかもしれませんし、ゴミの話をしたところで、そんな話聞きたくねぇーみたいな反発を食らってしまうかもしれません。
でも、ここでもう一度考えてみて欲しいんです。
こんな事書くと不愉快に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、それでもなお書かせて頂きたいと思います。
Kさんからご連絡頂いた野池にしても、僕のホームレイクであったS湖にしても、問題の根幹は全く同じです。
問題の根幹は、バスは害魚であるとかそんな事ではなく、釣り人自身が作り出した問題が多くを占めているという事。
自分の大好きなバス釣り、そしてルアー作り。
僕は、自分の大好きな事をこれからもずっと続けて行きたいから、ゴミ拾いでも何でも自分に出来る事はコツコツと続けて行きたいと思います。
継続は力なりと信じて、何があってもくじけずに、自分に出来る事をコツコツと続けるだけですよね。
Kさん、本当にありがとうございました!!
これからも拾うでぇ~~~~~♪