東播野池のその後
2008年 12月 12日
でも、バスフィッシングを愛される方にはぜひ読んで頂きたいお話です。
以前、東播野池の現状を伝えるメールを兵庫のKさんより頂きご紹介させて頂いた事があります。
その時の記事はこちら → http://beatour.exblog.jp/8501376/
このKさんから頂いたメールを当ブログでご紹介させて頂いたところ、かなり沢山の反響を頂きました。
フィールドを憂う気持ち。
バスフィッシングを愛する気持ち。
マナーが悪い釣り人に対する怒りの声。
励ましのお言葉。
自分もゴミ拾い始めました!とか、凄く嬉しいメールも頂きました。
その兵庫のKさんから、先日、再びお手紙を頂きました。
バスフィッシングを愛する全ての方にお願いします。
今日の記事はぜひ最後まで読んで下さい。
さきほどP湿原のブログを拝見しました。
良い魚と出会われましたね!西根さんの興奮が伝わってきます。
3バイトのシャローバスは顔は見られませんでしたが、きっとグッドなバスだったでしょうね。
僕も冬は北側のシャローをまずはトップでスローに攻めるんです。
もちろん時間帯と天候と風向きが大きく影響するんですが、釣れればグッドコンディションなバスです。
今書きながらもうすでにワクワク状態です。
このP湿原にはゴミがほとんどなかったんですね。
東播野池群はですね、この秋に一斉に釣禁の看板が立ったんです。
事の発端は今年の春にある野池に沈んだ車の中から2体のご遺体が発見された事だそうです。
同じような釣り人の死亡事故が大阪の海でも起きて、ご遺族が大阪市が港湾の管理を怠った責任を問われた事があり、東播でも野池の所有者の方や管理者の方々が自己防衛の為に釣り禁や立入禁止の看板を立てたらしいです。
これは仕方のない事だと思います。
勝手に釣りに来て、農道に車を停め、ゴミを捨て、挙げ句の果てに事故でも起こせば池の管理者に責任を求められる…。
たまったもんじゃありません。
そんな最近の東播なのですが、先日ある野池で
「釣れますか~?」と左目を怪我されたご老人に声をかけられたんです。
この方は今僕がまさに釣りをしている野池の所有者の方でした。
とても紳士な方で、東播の野池の事、釣りの事、魚の事をいろいろと一時間以上も話してくれました。
その話の中でその方の左目の大きな内出血に話がおよびました。
話によると、池廻りの草刈りの時に、草刈り器に釣り糸が絡んでしまい、エンジンを切らずにラインを外そうとしてかがみ込んでラインを引っ張った時にラインがはずれて、急に回り出したカッターが石をはじき飛ばしてその方の左目に当たったとの事。
僕は思わず謝ってしまいました。
「私も釣りが好きやから、釣り人の気持ちはわかる。
だからこの池は釣り禁にはしない。
でも、最近のテグス(釣り糸)は細くて強いから危ない。
だから、釣りはなんぼしてもエエけど、テグスだけは捨てんといてな。」
我々釣り人が東播地域にもたらしている利益(お金)なんてそんなにありません。
ましてや、野池を管理している方からすれば釣り人は百害あって一利なしの存在です。
自分の出したゴミを持って帰るのは池管理者からすれば何の得にもなりません。
それが他の釣り人が捨てたゴミであってもです。
秋口から冬までに東播の野池は草刈りをします。
で、刈った草はそのまま放置して枯らしてしまい、翌年の2月頃までに消防署や近隣の方々に協力してもらってその枯れ草を焼くんです。
で、この焼く作業で、近隣の方々に一人9000円ずつのお礼を渡されるそうです。
もちろん、草刈り作業でも同様の出費があったと思います。
野池の管理にはお金がかかると何度もおっしゃてました。
野池の管理には通年行っている作業が色々とあります。
特に土日に作業を行う事が多いようです。
土日に釣りに行かれる釣り人なら幾度となく、野池で何らかの作業をしている地元の人を見た事があると思います。
「いつもここで釣らせてもらってるんで、何か手伝います。」
実際、素人の我々釣り人ができる作業なんてひとつもないかも知れません。
むげに断られるかも知れません。
でも、このひと言をかける事が大事なんだと思います。
来年2月にお手伝いに行くとその方に言うと
「エエよ、エエよ。頑張って大きいの釣っとき!」
とすごく嬉しそうに笑ってくれました。
そして、僕も知らない大きなバスのいる秘密の野池の地図を書いて渡してくれました。
また、長々と書いてしまいました。
西根さん、こんな感じです、東播は。
そんなに大きくはないですが、バスマーケットはこういった方々の上に
立っているのが実情なんですよね。
考えれば考えるほど、バス業界の先に明るいモノが見えにくいのです。
でも悲しいかな、バス釣りがムッチャ好きなんです。
ヨボヨボのじいさんになっても続けたいんですよね。
以上がKさんから頂いたお手紙です。
僕からは何も言いません。
ぜひ、考えて欲しいのです。
自分達に何ができるか。
そして、地元の方々の立場になって考えて欲しいのです。
僕達が釣りを楽しめるのは、地元の方々のお陰です。
その事を絶対に忘れちゃいけませんよね。
以前、Kさんがホタルの話を教えてくださいました。
一個人がゴミなどのマナー問題を口にするのはホタルの光のような小さい明かりかもしれません。
でも、ホタルは他のホタルの光に呼応して光りだします。
一匹が光ると必ず時間が経つとそのホタルの回りに無数の光が乱舞しだします。
そして、その場はホタルの名所として人々が集まり、一帯は優しく豊かな空気で満たされます。
人を東播に連れて行く時、
「きれいな池やね」とか言われると自分が褒められたようでうれしいんです。
もし将来、西根さんと東播をご一緒させていただける機会があれば
「東播ってどの野池もきれいでしょ!」と胸を張って言える状態であって欲しいですね。
素敵なホタルさんが一人でも増えてくれる事を願っております!!